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ケーキが食べたい鬼怒川省吾。
ケーキをつくりたくない古城蓮。
っていうか、それもかなり手間だと思うよ、古城さん…。
ちょっとひねくれた古城さんの愛が眩しい。
あとケーキまちの鬼怒川さんが愛しい。
たぶんそんな話。
クリスマス前のことだ。
「クリスマスにケーキが食べたい」
「あ?」
ケーキ屋はクリスマスは、勝負時だ。
クリスマスにケーキを予約分だけでなく、お持ち帰り分、クリスマスケーキを作るだけでなく、焼き菓子や、普段作っているケーキも作らなければならない。
その上、カフェスペースまでできてしまったとある有名店では、クリスマスフェアまでしている。
忙しいのはケーキ屋だけではない。
飲食業は大体忙しい時期だ。
クリスマスデートに美味しい夕飯を予約というのは定番中の定番といってもいい。
「売れ残ったら、クソほど食える」
クリスマスケーキは売れ残ったら用ナシの時期ものだ。
26日になった瞬間から正月の帰省や、家で過ごす者たちのための商売が始まる。
そうすると、25日の夕方頃にはクリスマスケーキはだいたい値下げが始まる。
だが、生クリームがたっぷり乗ったクリスマスをイメージしたケーキが店頭に並んでいるときに限って、違うケーキが食べたくなるのはどうしてだろう。
注文すればそういうケーキをクリスマスケーキにもしてくれるが、そこまでしてクリスマスである必用はない。
俺は、ただ、生クリームがのっていないケーキが食べたいだけなのだ。
買ってくればいいのだが、他の店でケーキを買ってくるとしばらくの間、俺は貧相な食生活を送らなければならない。
すっかり俺の胃袋は握られ、舌は誰かの料理に慣れてしまっている。
それならば、頼んでみるのもいいのだが、それを頼むにはいささか、古城蓮は忙しすぎた。
「そうか」
無理を通すのはやめて、大人しくケーキをまっていよう。
そう思った俺は、クリスマス当日、クグロフ、シュトーレン、パネトーネ、ボローレイ、ユーレシチュアーネといったクリスマスパンをプレゼントされるとは思ってもみなかった。
……パンまで作るのかおまえは…。
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