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トリップした人間が、現代からのトリップではなく、トリップ先くらいファンタジーなところからトリップしたら…
という設定で、ネットワーク社会で電脳世界の発展が著しい世界の第五王位継承権を持つ人が、魔法と剣の世界の第一王位継承権を持つ人と結婚してしまった話
。
第五王位継承権の人はホリックワーカーで廃人。
第一王位継承権の人は自由人でワイルド。
廃人×皇子
本文は続きからどうぞ
俺の旦那は、引きこもりだ。
異世界からやってきた旦那…フレムは、ほりっくわーかーというものだ。
テンテキというのを使ってまで仕事をする。
七日も俺を待たせて心配させた挙げ句、フラフラしながら他の仕事もしようとするから、思わず俺は殴って眠らせてしまった。
なんでも、一国のみならず世界中のねっとわーくを開発、構築するのが、フレムの仕事らしい。
俺は毎日、フレムの傍にはいられないから、俺がいない間にフレムが仕事をして、飯も食わないなんてことがよくあるらしい。
散々怒ったら、食事をするようにはしたというから抜き打ちでやってきてみたら、フレムの食事は食事じゃなかった。
何かを数秒飲む。そのあと、ねっとわーくにだいぶ。あまりにもひどい。
その飲んだ奴は、簡易な栄養を接種するための液体と固体の間くらいの…ゆるいゼリー状のものなのだが、それを食事とするにはあまりにもひどすぎるように見えた。
「フレム!」
また怒ると、フレムは今度はクッキーのようなものを食べはじめたのだが、そうじゃないと俺は怒った。
俺の世界にいたときより顔色は悪いし、痩せたフレムに、これじゃあ抱きつきがいもないといったところ、フレムがふふんと笑った。
「ガリガリでも抱きつかずにはいられないくせに」
というか、そういうことではないと俺が不機嫌になって実力行使にでるため、俺のいるときはきちんと食事をしてくれるようになった。
「…ラディ、そろそろ機嫌治してくんねぇ?」
「……」
何かをいうより無言で顔をあわせないというのが一番つらいらしいので、しばらくは不機嫌なフリをしておこうと思う。
そうしたらきっと、フレムは仕事を休んで、俺の世界に遊びに来てくれるはずなのだ。
新婚夫婦なのに世界をまたいで単身赴任なんて、本当に俺もフレムもどうかしている。
こんなにも愛してるのに!ほりっくわーかーなんかと結婚するもんじゃねぇ。
……離婚なんてぜったいしねぇけど。