書きなぐり まっくろくろ 忍者ブログ

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もう仮題がひどかったから、本題もコレでいいのではないかという雰囲気。

黒い攻×ヤンデレ受

じつは両方ともヤンデレ。

本文はつづきからどうぞ。









 告白されたら、据え膳は食べるようにしている。
 おいしそうだからというのもあるけれど、傷ついた顔が可愛いから。
 最初から、俺は既婚者だよっていってあるのに、それでも抱いてという子だけ、食べるようにしていた。
 先生は、君に本気にならない、それでいい? とちゃんと聞いて、ちゃんと了解を得て思い出作りとやらをしているのだけれど、いつも、ひどいって顔で見られる。いつも、傷ついた顔をされた。それが可愛くて仕方ない。
 俺は、優しくなんかしたことはなかった。優しいなら、ひどいって解ってることをやんわりとそれでいいかなんて聞いたりしないで断る。
 それを知っているのか居ないのか、騙されたと生徒達は言った。優しくするからとか、そんなことをいう。
 それは、違うとは言わない。ちょっと、俺の中でも、その可愛くて見たいからって気持ちがある。
 だから、否定もしない。
 でも、だぁりんをみているとつくづく思う。俺なんて優しくないし、ひどいといえばひどいけど、本当に騙すっていうのは、だぁりんみたいな人のことを言うのだ。
「どうして」
 天軍とは何の繋がりもないみたいな顔をして、俺と一緒にいたのに、こっそり密会してた。
 だぁりんはいつもそう。
 何もいわないし、何も聞かせない。だから、何が本当とか嘘とか疑わせることさえさせない。
 材料がないんだもの、疑いようがない。
 だけど、一度、材料を与えられると、違う色の色水入れたみたいに広がって、疑わせる。だぁりんがずっとしてきたことを俺は、よく知っていたから。
 よく知っていたのに、疑えなくなっていた俺が、バカだったのかも知れない。
「黙ってただけだろう」
 薄く笑って、いかにも善人そうな顔をする。
 昔、大昔。
 よく見た顔だ。
 だぁりんが、うまくやったぞって時に、とぼけるようにする顔だ。
 つまり、少し、俺にばれることを期待していたということ。
「帰りたいわけじゃない。帰るとしても、お前は連れて行くよ」
「そんなの、今、信じられるわけないじゃん……?」
 黙っていただけだと、だぁりんは言うけれど、明らかに俺の様子を楽しんでいる。
 俺がだぁりんにお仕置きされているとき、ついついやりすぎてしまったというだぁりんの顔と同じなのだ。
 だぁりんは確かに、俺のことが好きなんだろうなって思う。
 俺を試すような真似をしてくれる。
 それは、試されてるって解ってても、俺は、いつも慌てる。だぁりんに捨てられたらどうしよう。だぁりんがいなくなったらどうしよう。いっそ、居なくなる前に、また監禁したら。いや、でも、また、だぁりんは俺の手からすり抜けてしまうんだ。それなら、だぁりんが再生しなくなるようにしちゃえばいい。燃やし尽くせばいいし、削っちゃえば問題なく、動かなくなる。
 そうすれば、だぁりんという形ではなくなるけど、だぁりん自体は俺から去ることはないかもしれない。けれど、だぁりんは話しかけてくれないし、抱いてもくれない。温かくもなければ、顔を見ることさえ出来なくなるかもしれない。
 だぁりんの灰を愛せないわけじゃない。だぁりんの一部を愛せないわけでもない。
 ただ、だぁりんは俺を愛してくれてるって確認できないし、確信なんてもってのほか。
 だって、今でも疑っているのに、どうやって、信じろというの、しゃべりもしない、動きもしないものに。
 だぁりんは居なくならない。でも、疑い続けなければならない。
 一時の安心を得られるだけ、だぁりんが生きてくれるほうがいい。
 だって、まだ、抱きしめて、名前も呼んでくれるじゃない。
「それなら、いつなら、信じる?」
「いつまでも、信じられないから、そんなの、信じられないから」
 どうすれば、だぁりんは俺だけのものになるんだろう。
 だぁりんは、ちょっと、俺には難しすぎる物件なのかもしれない。
 嫉妬させても、どんなに甘えても、浮気しなくても、好きだといっても、だぁりんは変わらず、俺に黙ってる。俺に信じさせたあと、嘘だとばらす。
 それこそ、最低の所業。
 お互い様って知っている。だから、それについては追求しない。二人とも、直そうおもっていやしないから。
「じゃあ、何なら信じるんだ?」
 余裕の表情が崩れない。
 だぁりんは知っている。
 俺はだぁりんほど頭が回らないし、だぁりんに物理的に勝つことが出来ても、精神的に勝てないのだ。
「何にも信じない」
「それは悲しいな」
 心にもないことを言う。
 俺が、そんなことをいって離れていかないことを知っているから、だぁりんは平気な顔をしている。
「じゃあ、せめて、天軍のことは話そうか」
 もう天軍の仕事はしないとはけしていわない。
 けれど、そんなことをいわれて信じられるわけもないのだから、だぁりんはただしかった。俺をよくわかっている。
「ん」
「その代わり、生徒との浮気は止めてくれるか」
 これでいくつめだろう。
 なんだかんだとだぁりんに浮気防止をされるのは。
 思い当たった瞬間に、笑みがこぼれる。
「急に嬉しそうな顔をして……困ったやつだな」






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