×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
のるかそるかのつづきにあたるのかな?
そんな話
化け物になった軍人×占い師
攻略することに精をだす。
本文はつづきからどうぞ。
そんな話
化け物になった軍人×占い師
攻略することに精をだす。
本文はつづきからどうぞ。
軍にはいれば、何故、国のものになるのか。また、親族とまったく関係のない存在になれるのか。その理由を初めて知ったとき、なるほどと思った。
軍に入って、地方に飛ばされ、なかなか中央に戻らない人間は、すべからく化け物になるからだ。
軍に入って、地方に飛ばされ、なかなか中央に戻らない人間は、すべからく化け物になるからだ。
化け物になって死ぬのなら、血など関係あるのか。化け物として生きるなら、誰が飼うのか。
有益なものは国が飼う。
俺は軍に入って、北の寒いのがとりえみたいな田舎に飛ばされた。過疎が進んだ、見る人見る人知り合いみたいな、狭い場所が俺の人間としての最後の所在地だ。
その片隅にある駐屯地で軍の真実とやらを知らされ、儀式とやらをするかしないかを聞かれた。
儀式を行うために足を運んだであろう、たぶんもう既に人間ではない男は、俺が中央の金持ちの息子であることを知っていたのだ。
運命を買えるほどの金持ちはそういない。そして、その跡取り息子となるべく育った俺が、軍でいる理由もないだろう。そう思って、儀式をするかいなかを尋ねてきたのだ。
本来ならば、俺のような金持ちは、軍に居てもこうして儀式をすることもなく中央に帰ることが多い。
だが俺は誰よりも化け物になれる素質があった。
儀式を受ければ、化け物として必ずしも生きられるわけではない。
それこそ金など持たない上に何処で野垂れ死んでもわからないような人間ならば、そんなどうなるか解らない儀式を受けたって隠蔽がたやすかった。
たとえ化け物になれたとしても、意思疎通が出来なければその場で殺されるし、意思疎通が出来ても人間に害をなすのなら、やはりその場で殺される。
軍の人間を国のものとするのは、余計なしがらみを捨てさせるためでもあるらしかった。
俺は少し悩んだ。
たかが色恋のためにこんな片田舎まできて、家にも戻らず、毎日毎日寒さに震えつつ、明日はもう少し温かいと嬉しいとか笑う。
たかが色恋で、人間まで捨てるのか。
軍くらい辞めればいい。
そう思いつつ、俺は25を過ぎた。
結婚相手もいなければ結婚する気も無い。結局、誰かを忘れることも出来ていなかった。
今更、何か捨てるものがあるのだろうか。
不意に思ってしまった。
今の生活が気に入っているわけではない。しかし、不満があるわけでもないのだ。忘れることができないけれど、生涯恋して終わるわけでもない。もしかしたら、それがあれば少し素敵なことが起こるかもしれないが、それだけが素敵なことというわけでもなかった。
それでも、受けるといったの理由が、そのことが素敵なことである可能性を見だしたとかならば、本当に素敵だったかもしれない。
「いや、だから、どうして出会い頭に押し倒されてるんだ」
「お前が逃げるからだ」
「いや、それなら、腕をとるとかあるだろ」
「ないな」
「ないのか……」
こちらを正面から見て、たちの悪い笑みを浮かべるどうしても忘れることが出来なかった男から逃れるために、意識を外へ向ける。
それだけで、俺は空気に溶けた。
「……魔法的結界も無視か。随分な化け物になったもんだな」
俺が化け物になってからの特技といえば、空気に溶けるだけだ。
むしろ、溶けている形状が俺の通常の状態といえる。魔法的結界とやらに捉えるには、俺の本質を知らなければ無理だ。
その本質を、神秘の占い師様に教えるつもりもない。
「それにしても、どうしてそうも逃げるんだ?」
『照れくさいからに決まっているだろう』
だいたんで清らかな占い師は、鼻で笑って俺の意見を無視する。最初は確かに照れくさかった。本当に久しぶりに会ってみれば飛び掛ってくるし押し倒してくるし、どうしてこんなことになってしまったんだと思ったものだ。
しかし、俺とて用事がなければ初恋の君と会うこともなかった。
その用事が、占い師様の清らかな身体が狙われているので守ってくれというものだ。
軍でもさっさとあの占い師の権力をそぐために天国見せてやれよという意見と、やだやだいつまでたっても清らかな御身をたもっていただいて、我らの神になってくださいという意見で二分している。
そのため、俺のような中途半端な護衛が用意されたのだ。
その貞操をまもるための護衛に、なんと、占い師様がやる気で、しかもやったところで能力がどうにかなるわけじゃねぇよと宣言されてしまった。
こうなると俺はどうしていいものか決めかねてしまう。
貞操を守るべきか、こっそり奪っておくべきか。
あちらがやる気であるだけに、悩ましい問題である。
「両想いなんだから、いいだろうが」
『……もうちょっと手順を踏んで欲しいもんだ』
「二百年待って、まだ待つなんて冗談じゃない。いいから、とにかく溶けるな」
神秘の占い師様もこうなっては形無しだ。
しかし、拗ねている様子が可愛いと思ってしまう俺は、ほんとうにこじらせてしまっている。互い二百年以上生きているというのに、本当に照れくさいことだ。
その本質を、神秘の占い師様に教えるつもりもない。
「それにしても、どうしてそうも逃げるんだ?」
『照れくさいからに決まっているだろう』
だいたんで清らかな占い師は、鼻で笑って俺の意見を無視する。最初は確かに照れくさかった。本当に久しぶりに会ってみれば飛び掛ってくるし押し倒してくるし、どうしてこんなことになってしまったんだと思ったものだ。
しかし、俺とて用事がなければ初恋の君と会うこともなかった。
その用事が、占い師様の清らかな身体が狙われているので守ってくれというものだ。
軍でもさっさとあの占い師の権力をそぐために天国見せてやれよという意見と、やだやだいつまでたっても清らかな御身をたもっていただいて、我らの神になってくださいという意見で二分している。
そのため、俺のような中途半端な護衛が用意されたのだ。
その貞操をまもるための護衛に、なんと、占い師様がやる気で、しかもやったところで能力がどうにかなるわけじゃねぇよと宣言されてしまった。
こうなると俺はどうしていいものか決めかねてしまう。
貞操を守るべきか、こっそり奪っておくべきか。
あちらがやる気であるだけに、悩ましい問題である。
「両想いなんだから、いいだろうが」
『……もうちょっと手順を踏んで欲しいもんだ』
「二百年待って、まだ待つなんて冗談じゃない。いいから、とにかく溶けるな」
神秘の占い師様もこうなっては形無しだ。
しかし、拗ねている様子が可愛いと思ってしまう俺は、ほんとうにこじらせてしまっている。互い二百年以上生きているというのに、本当に照れくさいことだ。
PR