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ぱん!ぱぱぱぱん♪の下界の友人あらため恋人の話。
これは学園に行く前。
随分前にかいたんですが、だしたっけ?という曖昧な記憶のままだしておきます。
だしたような気もします。
片方がイン●ルはいってるなら、もう片方はやっぱリンゴかなぁ。
と思ったんですけど、半導体と本体じゃ違うだろとおもいつつ。
擬人化とかではないですよ、タイトルの話です。
もう片方がでませんので、BLではないですね。
生徒会がわちゃわちゃしてるのが好きだって人は楽しく読めると思います。
本文はつづきからどうぞ。
これは学園に行く前。
随分前にかいたんですが、だしたっけ?という曖昧な記憶のままだしておきます。
だしたような気もします。
片方がイン●ルはいってるなら、もう片方はやっぱリンゴかなぁ。
と思ったんですけど、半導体と本体じゃ違うだろとおもいつつ。
擬人化とかではないですよ、タイトルの話です。
もう片方がでませんので、BLではないですね。
生徒会がわちゃわちゃしてるのが好きだって人は楽しく読めると思います。
本文はつづきからどうぞ。
生徒会長という職業には、規則がある。
この妙な学園の暗黙の了解以上に、妙な規則だ。
生徒会長は、何様俺様神様生徒会長様であるということ。生徒会長記録をつけること。
その二つだけだ。しかもそれは、生徒会長のみに伝わる規則で、生徒会長になった生徒が前生徒会長に告げられる。一番最初の規則であり、仕事だ。
この規則のせいで生徒会長は名物になりやすいらしい。前の会長は何様俺様神様生徒会長様とか冗談じゃないとおもって、皆に堂々と生徒会長として振る舞う時以外、隠れてでてこなかった。
そのため、引きこもり会長と呼ばれたらしい。
その前の会長は、ばれなきゃいいんだよ、ばれなきゃ。といって、生徒会長として振る舞う時以外、変装して過ごした。
そのため、秘密の生徒会長と呼ばれたそうだ。
その前は、その前はと記録と言う名の日誌を探っていっても、ろくな呼ばれ方をしていない。
一番最初にこの記録をつけ始めた会長など、あまりにおもしろ生徒会長の歴史を知ってしまい、記録をつけることを規則にしてしまったという、文学少年生徒会長だ。
何様俺様神様生徒会長様を演じているはずなのに、それ以上に個性を出してしまっている生徒会長たちの記録に、俺はできたら没個性になりたいと思った。
いわゆる何様俺様神様生徒会長様とだけ言われる生徒会長になろうとしたのだ。
おおむね、できていると思う。
「ああ!今日も天宮(あまみや)様かっこいい!」
「あの、誰にも従わない態度! 上にだれもたてないお姿!かっこいい!」
できていると思うのだが、やりすぎたと思わざるを得ない。
「あ、シジョウさん、ちわっす」
生徒会長と同権力をもっている風紀委員長ですら、俺を尊敬のまなざしで見てくる。
理由は解っていた。
風紀委員会も代々規則がある。その規則というのがこれもまた妙な規則で、ヤンキーであることを強いられるのだ。
この規則は大々的に知られている。だから現在、風紀委員会にはいるのはある条件を満たしたヤンキーのみだ。
俺も、そのヤンキーどもと同じ条件を満たしていた。しかし残念なことに、その条件よりも輝くものがあったらしい。俺は生徒会長となってしまった。
「おー。つうか、最近、こっちに強姦未遂書類回ってきすぎだ。きっちりそっちで処理しとけ」
「すみません、シジョウさん! 全力で当たらしてもらいます!」
本当ならば、俺が風紀委員長になる予定だったのだと思う。
俺は風紀委員長の条件、とあるチームのヘッドであるという条件を満たしていたからだ。
ある時、実家に反抗して入ったチームで、頭角とやらを表しすぎたせいで、ヘッドになった。
生徒会長にならなければならないとチームを抜けたが、今、チームヘッドである風紀委員長は俺を未だに自分の目上の者として扱う。律儀だ。
おかげで、俺は楽ができていい。
「あ、かいちょー! みてみて、じゃじゃーん!」
風紀委員長が急いで風紀委員会のたまり場に戻っていく後ろ姿を見送っていると、後ろから誰かが俺を追い越した。そいつは、その場で一回転してポーズをとる。
「新しいシルバーか。よく似合ってるが、バイトじゃなく、生徒会の仕事しろ」
俺がシルバーをほめたことについては、うれしそうに笑ったそいつ、補佐の駿河が、その後に続いた言葉に唇をとがらせた。
「会うたびいうよね、かいちょー」
「俺に仕事がふりかからねぇってんなら、文句いわねぇよ。さっさと生徒会室いって、お披露目してやれ」
「らじゃ」
そう言って、生徒会室に向かう駿河(するが)も見送る。
しかし、本当にやりすぎたなと思う。
俺が廊下を歩けば、道をよけ、頭を下げ、挨拶をする。
こうして、気軽に声を掛けられることはあっても、俺を放置することなどまずあり得ない。
俺は、少しおもしろくない心持ちで笑い、生徒会室にむかった。
生徒会室につくと、ほほえましい光景が目に入る。先ほど俺を通りこしていった駿河がシルバーを今にも引きこもりそうな書記の若狭(わかさ)に見せて自慢しているところだ。若狭は駿河の説明を一生懸命きいてうなずき、目を輝かせている。
若狭の横でこれもまた目を輝かせている会計の庄内(しょうない)を確認した後、俺はシルバー類といえばフォークやスプーンにしか興味のなさそうな副会長をさがした。
見える範囲に副会長はいない。
「釧路(くしろ)ォ!」
「はーい。今、給湯室!」
生徒会室の奥の方から声が聞こえた。
また、給湯室でコーヒーをいれにいって、本を読んでいるに違いない。
設備がよすぎる生徒会室は、給湯室すら、設備がよすぎて本の虫がコーヒーをいれる間に本を読んでいて、なかなか戻ってこないのだ。
トイレでたばこを吸うヤンキーのような事態に陥っている。
しかも、副会長は一度本に集中するとなかなか現実世界にかえってこない。そのため、副会長を捜して困っている生徒をよく見かける。
だが、そんな副会長さえ、俺が声をかけると、1も2もなく返事をするのだ。
「明日、転校生くるっつうから、迎えに行け」
「ラジャー」
どうでもいいことだが、ちょっと前から、生徒会室では俺の命令にラジャーと答えることがはやっている。
なぜかはわからない。
ただ、少し俺は生ぬるい湯に入ったような気分になる。
つまるところ、微妙だ。
なぜかはわからない。
ただ、少し俺は生ぬるい湯に入ったような気分になる。
つまるところ、微妙だ。
そうして、転校生が翌日やってきた。
副会長は転校生に会い、本を読んでいる間に世間に置いていかれたのかなと心配になって、駿河に最近のことをしきりにきいていた。
あまりに、不安そうに尋ねるものだから、こちらも興味が出てくる。
「転校生、どんなにすごかったんだ?」
「もっさりしてて、眼鏡でした。あれって、最近の流行なのかな。俺、本、読みすぎたかな」
不安そうに眉を寄せる姿に不憫になったのか、様子を見ていた庄内が釧路を慰めていた。
「いや、もっさりはいつの時代もはやりとかないって」
「そう?すごく自信ありげでさ。あと、なんでそんな顔するんだよって怒られちゃった。どん引きしたのばれちゃった……」
「ばれちゃったか。隠すの下手だしな、釧路」
庄内がうんうんと頷いている隣で、駿河も同じくうんうんと頷いた。
「けど、しろたんがどん引きってよっぽどじゃないのー? おれ、逆にみてみたいんだけど、もっさりー」
若狭は仲がいい駿河のまねをして、もっさりーといっているが、駿河と違って会いたいわけではないらしい。
興味がなさそうに、もっさりーを繰り返している。
「え、そう? じゃあ、見てみる? たぶん、みんな群がってても、会長がいけば十戒だよ」
みるみるうちに人垣が海のように割れてとでも言いたいのだろうか。さすがにそこまでの力は発揮したくない。
「俺は行きたくねぇから、おまえらだけで行け」
「ええ、行こう?だって、会長いたら、歓声うるさいけど、ご飯も待つ必要ないよ?」
何故か、舎弟どもが待機していて俺に飯や飲み物を持ってくる。出てくる飯には特に文句はないが、時には選ばせてくれてもいいのではないか。
「会長、すごい。人、こない」
俺と一緒にいたら、よけいにびくびくすることもあるが、俺の近くに人が寄ってこないため、若狭は是非とも俺と一緒にいたいようだ。
「めんどくせぇ。あと、交流会の書類出しにいかねぇとなんねぇから」
「あ、かいちょーの愛しの人がいるとこでしょ?」
愛しの人という名称が著しく似合わない男を思い浮かべ、俺は頷く。
「ああ。お前と若狭(わかさ)連れてくところだ」
「山奥ってきーたけど」
「山の下は下界というくらいだから、相当だ」
幼馴染いわく、下界といって似合うのはかいちょーくらいだそうだ。俺の想い人の斎慶賀(いつきけいが)は元生徒会長である。その上確かに、その偉そうというか、すこし人と離れた物言いがよく似合う。
「それって、つまんなくなーい?」
「静か、いい」
外に出ることに対しては難色を示すが、山奥で静かそうだということに対しては嬉しそうですらある。
山奥でも、この学園と同じようなものだと幼馴染から聞いている俺は、あえてどちらにも肯定はしない。この学園と同じだということは学園の中に入ってしまえば珍獣のように見られるに決まっている。それはどちらも望まないことだろう。
「ま、それはそれ、これはこれ。その書類急がないでしょ。俺、知ってるからな。行こう。人ごみ掻き分けるの面倒だから」
人ごみを掻き分けるのが面倒なくらいで、連れて行かれるのは不本意だ。
「お前らが、各々お願いしたらいいことだろう」
「おねがーいって?」
「それは駿河だけが使えるな。若狭はまごまごしてるだけで避けてくれるだろうし、釧路は少し困った顔して退いてくれるかなって言えばいい。庄内は……何しても、退いてくれるだろう。自分の使い方をよく知ってるだろうが」
他の三人が感心したように頷く中、庄内だけが俺の同行をもう一度求めた。
「会長なら、何も言わなくても、一気に退く」
「……なぁ、もう宗教みたいになってんの、なんなんだ」
容易に想像できるから、否定もできない。
「何様俺様神様生徒会長様天宮至成(あまみやしじょう)様だから」
その長い呼び名に俺の名前がつくこと自体、遺憾である。
名物会長になるまいとした結果がこれとは嘆かわしいものだ。
「もしくは、支配者様」
「止めろ。それは即刻禁止させろ」
「ラジャー」
どうでもいいことだが、そのうち、アイサーと言い出しそうで、少しこれも止めさせようか迷っている。
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