書きなぐり 皇子と廃人2 忍者ブログ

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皇子は王位第一継承者だけれど、廃人以外と一緒になるとか、廃人以外の人とどうこうなるとかは嫌だと言って、継承権いらねってしたんだけど、住んでるのは自分の世界。
仕事があるのと、あと、文明の違いにどうしていいやらまだわからないから。
廃人が世界への影響を調べてしまってから、一緒に暮らせるかどうかを検討という形。

そんなちょっと大人の事情的なことはおいておいて、普段の彼らはのんきなものです。

本文はつづきからどうぞ。






「兄さまぁ!」
妹は可愛い。
まだ幼いし、小さいし、なによりも、両親待望の女の子なのだ。
それはカワイイに決まっている。
その小さな身体を抱き上げて抱えてやると、一緒についてきた兄の一人が驚いた。
「顔色良くなったどころか、焼けたなとは思ったが、妹を抱き上げるほどにまで…!」
感動された。
俺は、ついさっきまで異世界にいた。
今は横に嫁を連れているが、その嫁が目を白黒させている。
魔法という文明が息づいている異世界の王子様である、俺の嫁…ラディにとって今いる世界は、驚きで満ちていることだろう。
見たこともない物体や、魔法のない世界。
それなのに、部屋は明るいし、空には枠があるし、レンガや石畳、アスファルト、コンクリート…どこを探しても土が見当たらない世界なんて初めてに違いない。
「お、これが、現地妻か!この人がいたから、お前はこんな健康体になれたんだな」
「まぁそうかもな。でも、帰ってきたら、どうせ、またもとに戻るだろ」
「こっちに定住なのか?」
「ああ、当たり前だ。俺は仕事を放り出したりはしない」
「…さすがのホリックワーカーだな。半年もブランクあるだろ?」
「埋める」
「また、点滴生活か」
俺と兄貴の言葉を聞いて、しばらく悩んで首を傾げたラディだったが、俺よりも言葉を覚えることに熱心だったラディは、ホリックワーカーと点滴生活以外は理解したらしい。
ホリックワーカーと点滴生活のことを知ったら、怒られるのでいずれ知られることかもしれないが黙っておこうと思う。
「……てんてきと、ほりっくわーかーってなんだ?」
つぶやきに答えたのは無邪気な妹だった。
「てんてきは兄さまのごはんで、ホリックワーカーは兄さまのおしごと!」
間違えてはいないので、訂正しなかった。
後になって、ラディにすごく怒られた。
点滴は俺がうたれてるのを見るまでわからなかったため、すごくなじられた。
俺は仕事でネットワークにつながると、何日もリアルに帰ってこないことがある。
週に一回は帰るようにしているのだが、その間の栄養補給は点滴になるわけで、痩せていくし、動かない俺に本当に毎日毎日不安だったらしい。
今度からラディが異世界からこちらに帰ってくる日は逐一チェックしておこうと思う。




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