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内容は決まっていたけれど、本が決まらなくて放置してしまった件。
調べてみて、やべぇなげーこれってなって、まともにあらすじもよんでません。
意外と知ってる話もあってなるほどです。
ちょっとだけタイムリーかもしれません。
調べたら十冊だか十一冊だかも本があって、え?となりました。
いや、あれだけ語ればそりゃあ有りますよねぇ。
本を紹介する話ではないんですよ!←
次回につながってるんです。ただ、次回の本がきまってなくて…
本文はつづきからどうぞ。
俺が放課後図書室にいることが多いのは、委員長だからというより本を漁っているからというほうが正しい。
気が付くと図書委員の仕事をしているのは、図書委員に本の位置を尋ねられたりするからで、けして図書委員の仕事が好きなわけではないし、使命感を持っているわけでもない。
しかし、嫌いでもないし、責任感は少しある。
そうして俺は今日も放課後、奥の方の書棚で、踏み台に座って本を抱えながら読んでいた。
「……こんなところにいたのか」
言われたことを額面通りに受け取ると、探してくれたことになる。
俺は本から目を離し、やってきた生徒会長に笑む。
「…もしかして、次の本ですか?」
「あぁ、すこぶる好評につき」
すこぶる好評につきとはなんだか他人事のようだが、俺は本を閉じて小脇に抱える。
「じゃあ海外に戻りましょうか」
「…俺が当たりをひいたかどうかはどうでも良いんだな」
「貸し出し記録でしってますから」
貸し出しカードと言うものが昔はあったが、今はバーコードで読み取って貸し出し記録をパソコンに記録する。
生徒会長が銀河の列車にたどり着いたのはすぐに解った。
「それで、次、聞きますか?」
会長が頷いた。
俺はそれがすごく嬉しかった。俺のオススメにたどり着いてかりて、読んで、また聞きに来てくれる。探してまで、聞きに来てくれる。
次、何をすすめようかなと考えていただけに、嬉しくてたまらない。
「…そうっすね…恋愛ものはどうっすか?」
「ガラリとかわったな」
「まぁ、恋愛、とはいいきれないんすけど」
俺も読んだのは最近のことだ。
「……かの王に姫君は話す。たった一度の夜伽の代わり、幾夜も重ねた物語」
ちょっと解りやすすぎたとは思うが、会長のイメージからしたら読まなさそうな本である。
姫君が話したお話のいくつかは非常に有名であるし、姫君が王さまに一夜の伽の代わりに話し続ける話も有名である。
たった一夜、成し遂げられなかったそれは、千の夜に渡り話されたお伽噺だ。
説話だったりするものだから、お伽噺というには少々生々しいが、童話もそうであるし、日本のお伽噺もそうだ。
お話の背景はほとんどは残酷なのだ。
「ちょっと生々しくないか?」
正解がわかったのか、夜伽ということばに反応したのかは置いておいて、俺は首を横に振る。
「今までお薦めしたものもけっこう深いと思いますよ」
会長は少し考えるように視線を上へとずらしたあと、元に戻し、うなずいた。
「探してみることにする」
「頑張ってください」
探すのをというより、読むのを、だ。
あの話はさすが千夜語られたとあって、長い。
翌日、最近、会長が図書室に足繁く通っているんだけど…と、同じクラスの会長親衛隊に話しかけられた。
俺は、少し苦笑して『しばらくはこないかもしれない』といっておいた。
探りを入れられたのはわかっていたが、そんなことより、なぜ長編をすすめてしまったのだという思いがあったからだ。
会長がいくら読むのが速くとも、さすがに会長職の合間に読むには長いだろう。
読むのが速ければ、また、聞きにきてくれるかもしれないのに、バカなことをしたものだ。