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調子にのって、第3弾
会長でましたー!
本文は続きからどうぞ。
魔法の世界には先見、夢見、星見、未来視ができる人間という奴がいる。
それらの人間がこぞって俺が誕生するその年にこういったらしい。
この年にうまれくる魔法を使える人間は今後の魔法界をひっぱっていく人間ばかりだ。
特に四の月に生まれてくるダブルには注意をしなさい。
魔法の世界の重要人物となるでしょう。
俺は一応、父が突然変異型の魔法使いで、母が純潔種の魔法使いだから、ダブルに分類される。
もちろん、俺の他にもその年の四の月に生まれてきたダブルという奴は存在している。
その年の四の月に生まれたダブルはかなり存在した。
だが、この予言のようなものには続きがある。
ただし、早くに生まれた子供には手を貸してはならない。
四月一日になってすぐ生まれた俺は、もっとも早くに生まれてしまった子供らしい。
細かくいえばダブルかもしれない早く生まれた俺はそんなわけで放置されていたわけだ。
受験していれば魔法学校に通えていたどころか、ウェルカムといった感じだったのではないかというのが、これを調べてくれた先生の意見だった。
一応、17になった俺は、魔法の世界では成人扱いであり、成人したのなら子供ではないし招致してもいいだろうと動きだしたら、奪い合いになり、夏休みに招致されたらしい。
魔法学校側は成人したといえど早く生まれた子供であったことから、慎重になっていて危ない橋を渡らないことにしたらしい。
武術学校は魔法が薄いため、魔法学校ほど予言を絶対としない。
そうして俺は武術学校で補習を受けている。
今は剣を片手に持ったまま、槍と剣をもった先生方の争いを眺めている。
「うちが獲得してぇんだけど…!」
「ばか言わないでちょうだい!うちよ!うちが獲得するの!」
魔法の方は先生方により休みの日を潰して他の魔法学校にお邪魔する形にされたのだが、武術学校のクラス分けには難航した。
とりあえず素手で格闘するものを中心に摘むという形をとったのだが、どうしても時間が合わないのだ。
授業がかぶってしまう槍と剣の担当教師に相談すると、何故かこのような事態が起こってしまった。
「じゃあ、どちらもとらず、特別補習にまざるということで…」
それはないよ、ウィーくん!と嘆く教師二人をおいて、俺は剣を片付けた。
次の授業は斧である。
ちなみに、斧は弓とかぶるため、それも相談しなければならなず、俺はため息しかつけなかった。
そんなこんなで普段ならば休日と定められた日、やたらとでかくて立派すぎる門を前に、俺は立ち尽くしていた。
この門の前には、一度立ったことがあるが、その時も開門に時間が掛かった。
『オマエ、前、キタ。今日、何、用?』
立派すぎる門に飾り付けのように座っているガーゴイルが話し掛けてきた。
俺はガーゴイルを見上げ、用件を述べる。
「特殊通学許可証をもらって、授業を受けに」
『マテ、ソノ話、聞イタ覚エ、アル』
その待てが大変長いことを知っている俺は、ガーゴイルを見上げたまま苦笑した。
このガーゴイルはなぜか物覚えが大変悪い。
そうやって待っていると、誰かが箒に乗ってやってきた。
母がたまに乗っているため、魔法の世界ではごく当たり前のことだというのも知っているが、どうも見慣れない。
「…貴様が特別授業を受けるという生徒だな…?」
魔法使いの正装というやつは昔からかわらないそうで、マントやローブを翻してこそ、魔法使いだと聞いたことがある。
それがあってか、魔法学校の制服はシンプルさというやつに欠ける。
大抵ローブかマントが付属しているうえに、ブレザーも学ランも長い裾を持ち、翻しているのだ。
少し威嚇とかだろうか、とも思う。
「そうだ、が…」
偉そうな案内役が来たな…と見上げた俺に、そいつは一応自己紹介してくれた。
「イルリカ学園高等部第115代会長のディーゼ・グリア・フラウ・イーラだ」
イルリカ学園高等部には、レイが所属している。
レイはいつも、学園について愚痴をいった。名前こそ知らなかったが、イルリカ学園の会長についてはいやというほど聞いていた。
俺は思わず会長を上から下まで見て、頷いた。
なるほど、色男だ。
「あ?」
口はレイと同じくらい悪そうだが、貴族の称号、特A級である称号を持っているのだから、実力、家格ともに折り紙付きだ。
「いえ。第三ディオキサイト学園からきた、ハルヤ・ウィーズです」
彼は箒から飛び降りると、ガーゴイルに何か説明もなく、解錠の呪文を唱えた。
「風紀のクソ野郎が楽しみにしてたっつうからどんなかと思えば…」
会長の呟きを聞きながら、俺はもう一度頷いた。
同族嫌悪という奴だな。
言えばきっと、レイは怒るだろうが。
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