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化け物は長く生きてるし、観察するのが趣味みたいなものだから、その由来を知っている。
会長はキスの日ってきいて、すぐ調べたけど、別に、由来は関係ない。
会長強いなー。やっぱ強いわー。でも、化け物もある意味強いわー。
こうなってもうまくいかない二人。
本文はつづきからどうぞ。
「キスの日なんだとよ」
唇にふれた他人の唇の感触に唖然とする。
「…キスをする日、というわけじゃない」
俺の言葉を鼻で笑う。
「おまえはキスしてくんねぇの?」
「すぐ気分悪くなるだろ」
「ベロチューじゃなきゃ平気」
「こうしているだけで、気分悪くなるのにか?」
俺とシギにはタイムリミットがある。一緒にいるだけで、俺の瘴気にシギの体調が悪くなるのだ。
今も平気だなどと言いながら、眉間に皺を寄せている。
恐らく、目が痛いし、頭も痛いのだろう。
俺は、首を軽くふったあと、もう一度シギと唇を重ねる。
ベロチューじゃなければ平気といった男の要望通り、舌を入れてやると、あちらも乗り気だ。
しばらくキスを楽しんでいると、いきなり腕の中が重くなる。
「やだ、はげしーい」
俺は、腕の中にシギをかかえながら、眉間に皺を寄せる。
「わかってるだろ」
気を失っているシギはそれでも、俺を離さない。
掴まれた服の袖がのびそうだ。
「ちぇー。いつでもおいていけるように上着、夏でもきてるって、卑怯なんだー」
体調の悪さで気を失ったシギにもういちどだけキスをして、きていた長袖のワイシャツを脱ぐ。
俺はタンクトップ姿で苦笑したあと、リツにシギを預けた。
「懲りろって伝えとけ」
「わかった。またあとでって伝えとく」
「おい」
そうして、リツはまた俺の意図したところと違う言葉を吐くのだ。
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