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リクエスト?にお答えしてみました。
これで一応エンドマーク。
転校生はこうして、生徒会長に絡まれるのでした。
という王道と同じようで違う末路をたどりました。
記号だけ並べていくととっても王道なんですけどね。
転校生、元族、変装、生徒会に探される主人公、ヤンキーを手懐ける主人公、親衛隊に言いがかりをつけられる主人公。
王道なんですけどねぇ…。
本文は続きからどうぞ。
俺が目を覚ますと、倒れてしまった生徒会長…ラストの副であるあんたが、俺を見て、泣きそうに顔を歪めていた。
どうしてこうなっているかわからないながらも、泣かれるのは嫌だった。
思わず抱きしめ、つぶやき、背中を軽く撫でる。
「……、リッジの百舌鳥、だよな?」
「元リッジの、な。ラストの連中が俺が日本に居ない間に探してくれたとかで?なんか用とかあったのか?」
俺の腕の中に入り込むようにもぞもぞと俺に密着してくるぬくもりを堪能し、あんたの頭の上に顎を置いて尋ねる。
昔とちがって、軽さがどこかに行ってしまったあんたは、俺の腕の中の収まりのいい場所を見つけたのか、動かなくなると、俺の質問に答えてくれた。
「俺が、あんたに会いたかっただけだ」
「…それはまた熱烈で」
言いたいことはあるだろう。
俺はあんたの初めてを奪っていったし、あんたの弱みにつけこむようなことをして去っていってしまったのだから。
それが慰めだったとしても、主導権は俺がもっていたわけで。
やけっぱちなあんたは、それでもあの時何もいわなかった。
だが落ち着いたら、そういうことに少し腹立たしく思ってもしかたない。
それとも、まさか、お礼でも言おうというのだろうか。
ならば、とても人が丸くなったといっていいだろう。
「そうだろ?俺はあんたが、欲しかったから」
そして、そんな予想を立てていた俺にとって、あんたの回答は青天の霹靂。
「くれよ」
くれよと言われて差し出せるほど、俺はこの腕の中の存在に何かを思っているわけではない。
あんたとは距離を縮めない。近くにも、遠くにもいかない。
あんたが寂しくないよう祈ってる、それだのはずだった俺が、性分ゆえに手を出してしまったがために、心的に近くなった距離がいやに俺を焦らせる。
そういうつもりでは、なかったのだが。
「俺は、あんたが可哀想だったから手を出したっての、わかってていってるか?」
俺が勢い良く起き上がると、あんたはベッドからゆっくり上半身を起きあげ、不敵に笑った。
「それが?俺にとってそれはいいきっかけでしかない。あんたが今、俺のものになればそれでいいんだ」
昔の面影の残らない口調が、本気を思わせる。
そう思えば、昔からどっかの誰かと似た口調は相手を茶化すために、優しくみせるために使っていた口調だったなぁ。と、観察の結果を思い出す。
素の口調は、確かこちらだったはずだ。
これは、本気だ。
「残念ながら、差し上げることはできねぇ」
お断りをすると、あいつはふふんと鼻で笑った。
「俺は、あんたさえいれば問題無い」
そして、俺の胸ぐらを掴むと強引に唇を合わせ、少しばかり俺の唇を堪能したあと、こう言った。
「お友達から、よろしくお願いしマス?」
セックス込みでヨロシク。などという友人はお断りしたいところだ。
…こうして、俺の受難の日々は幕を開けた。
まさかの生徒会長に追われる日々など、冗談じゃねぇよ。
それが嫌だからこうなったつうんだよ。
はーあ。
「ハァ?なんでてめぇらの相手なんかしなきゃなんねぇの?百舌鳥がいるのに」
化けの皮が剥がれた。
引きこもることをやめ、あいつを追い回す俺に、親衛隊の一部は俺に言い寄った。
お夜伽当番などという名前のついた当番制のセフレは、俺が初恋をする前、俺の初恋が終わったあと活用していたもので今となっては全く必要のないものとなってしまった。
ただでさえ、最低を極めていた俺は、あいつを探し始めていた時にそのセフレ集団を解散させた。
いまになって会長がお戻りになったと再び組織化される理由が解らない。
「俺は、百舌鳥がいいんだよ。結構前に解散したはずだし、なんで再結成してんだよ。俺は百舌鳥が欲しいんだよ。好きなんだよ愛してんだよ。ほかに質問あるか?わかったら、解散な」
などといって、セフレ集団の反感を買った。
というよりも、素の俺を前に、化けの皮が剥がれたといった連中が多かった。
新たに、俺様で一途でカッコイイなどという評価も加わったらしいのだが、管理をしているのは親衛隊隊長なのでよく解らない。
親衛隊隊長が言うには、今、親衛隊は三つに分派していて、会長を応援し隊、俺様カッコイイ一途会長を愛で隊、会計の頃から愛してますずっと愛してい隊に分かれるらしい。
それ以外は変わり果てた俺に幻滅。
除隊し、他の隊に移ったり、あいつに八つ当たったりしているようだ。
八つ当たりによりイジメを受けたあいつは遺憾無くその、エロ顔と男らしさを発揮し、たらしまわり、俺のライバルを着々と作ってくれている。
今では、そのたらされてしまった連中も、俺が落ちてしまうのも仕方ない。けど、負けません!などといっている。
負けてくれ。
俺は、あいつをひとりじめしたいし、俺のものにしたい。
「百舌鳥いたな」
「はい、いました会長!みんな、確保ッ!」
「やっべえ…」
応援してくれるというのなら使おうじゃないか。と親衛隊を引き連れて、きょうもあいつを追いかける。
あいつは、今日も俺から逃げる。
「絶対捕まえてやる」
捕まえたらどうしようか。
とりあえず、髪の色染め直させようか。