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これで終わりです…!
どういう解釈なの!??というのは、もんもんと想像して楽しんでください。
ブログの方でちょっと語りたいと思いますが、選択を提示する程度にとどめておきますので。
おわりとしては割ときれいめに終わったと思います、よ…!
とりあえず主人公のことを殴ってもバチは当たらないと思いますが。
続きは本文からどうぞ。
どういう解釈なの!??というのは、もんもんと想像して楽しんでください。
ブログの方でちょっと語りたいと思いますが、選択を提示する程度にとどめておきますので。
おわりとしては割ときれいめに終わったと思います、よ…!
とりあえず主人公のことを殴ってもバチは当たらないと思いますが。
続きは本文からどうぞ。
春休み明けの一発目の講義の日はよく晴れていた。
雲一つない青空の下、電車で偶然会ってしまった友人と話をしながら大学に続く道を歩いていた。
「最近、なんかすっげー長い夢見たんだけど」
「夢なぁ……どんなだよ」
「覚えてないんだよなぁ」
俺がそう言うと話の続きを求めていた友人が、毛虫を見るような顔をした。
「話にならねぇ」
「いやぁ…でも、あれよ。なんか、その夢見たあと、やけに疲れたなぁって思ったし、なんか忘れちゃいけないことあったきがするし、なんかちょっと虚しいっていうの?こう、寂しい感じが」
「その上要領も得ねぇのかよ」
如何にも嫌々といった顔が少し笑った。
笑うと、その表情は俺を馬鹿にしているものに変わる。
「すごい印象強そうな夢なのに、二度寝したら、さっぱり覚えてなかったというか……最初起きたときも覚えてなかったのかも」
友人はしばらくの間、俺をじっと見たあと、ため息をついた。
どうやら呆れているようだ。
「お前が覚えてねぇのは今に始まったことじゃねぇよ。俺のことも少しは考えろ」
「いや、物覚えが悪くて迷惑かけたことねぇっていうか、お前に迷惑かけた覚えねぇし」
呆れられたと思ったら、友人は、俺に憐れみの視線を向け始めた。俺はしばらく自分自身の行動を振り返る。
そう思えば休み前にレポートのことをすっかり忘れていて、友人に泣きついて手伝ってもらった。
「いや、レポートのことは……謝ったし、焼肉にも行ったじゃないすか小鳥遊(たかなし)さぁん」
「それはそれで言いたいことがあんだけど、それじゃねぇよ」
食べ放題の焼肉で、俺の奢りでうまそうに肉ばかり食っていたので、貸し借りはこれでなしだぜ!という気分だったのだが、友人はまだそれについて言いたいことがあるらしい。
何か言いたそうに、友人は一度口を開いたが、すぐに閉じた。
少しバツ悪そうな、それでいて不機嫌そうな雰囲気で友人は言う。
「お前、俺の名前も覚えてないだろ」
友人は苗字にインパクトがありすぎて、逆にインパクトがあまりない名前を忘れてしまいがちだ。
高梨とかならまだしも、小鳥が遊ぶとかいてタカナシは、かなりインパクトあると思う。
「いや。覚えてる覚えてる」
「嘘つくな。この前、他の連中に紹介するとき、名前出なかったろうが」
友人の言うとおりだ。
名前の方は結構色々な人が付けられているし、皆が苗字を呼ぶから、名前を覚えることができなかったのだ。
しかも、名前を聞いたのはただの一度だけだ。
出欠表が回ってきた時に、変わった苗字だなって、苗字に注目しただけに、英語のレクリエーション時に遠くで聞いただけの名前では覚えにくい。
「嘘じゃねぇし」
「じゃあ、言ってみろよ」
ここで当てにいかねば、友人に詰られて馬鹿にされるだけされてしまう。
俺の頭の中、よくある名前がいくつも浮かんでは消えていく。
苛立たしげな雰囲気は、見なくてもわかる。
「……シロウ?」
チラリと友人に視線をむけると、苛立たしげな中にも、少し不安のようなものが見えた。
悲しいのかもしれない。
そう思った途端に、思い浮かんだ名前を、俺は口に出した。
「……」
友人が、小鳥遊シロウが目を見開いた。
随分と、表情が解り易くなったな。
なんとなく思ったあと、俺は首を傾げた。
俺が会った時から、わかりやすかったはずである。
「覚えてるならいい。ほら行くぞ、鹿波(かなみ)」
「え、あ、はい……」
思わず友人と立ち止まってしまっていた。
授業時間五分前には教室に入っていたいくせに俺に付き合ってしまう友人に、俺は思ったのだ。
相変わらず、律儀だな。
倖田鹿波(こうだかなみ)
友人のことはとても好きである。
新しい学期になってからは、友人が妙に愛おしいし可愛くみえて困る。
たまに芋を見ると懐かしくなるが、蒸したやつはあまり食べたいと思わない。
小鳥遊獅狼(たかなししろう)
名前をかく時、この鷹はいなくても小鳥が遊べなさそうな、肉食獣丸出しな名前の画数が多くてカタカナで書いてやりたいが、どんな時も漢字で書く。律儀。
友人がどんなに馬鹿でも間抜けに見えても、放っておけない。
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