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今回の風紀保護観察のエピローグ的なものですかね。
あ、エコーは終わりませんからね!まだ!
調子を見るターンはもう終わりだと言わんばかりです。
これがだいたい導入みたいなかんじで……って、長い!ここまでが導入とか長い!!
それでは、本文は続きからどうぞ。
長い!!
「君は、意外と秘密主義なのかな」
冴島が樹と色遊びをしてからしばらくたった。
樹が少し学園内をかき回したとは思えないほど、学園はいつもどおりになっている。
樹は冴島に降参したあと、飽き始めていた委員会を抜けた。樹のいない委員会は、少しの間注目を集めたとは思えないほど、あっけなく潰された。
それは風紀や生徒会に所属する生徒が本腰をいれるまえに、何者かに襲撃されてあっけなく潰れたのだと、噂されている。
「さぁな」
珍しく上機嫌な西秋に、槙は目を細めた。
槙は西秋と友人になってから、ずっと西秋の様子を見ていた。何事にも興味が薄い友人が、頼んだこと以上のことをするのは、いつも冴島芥に関連することだ。
「君の好意はちょっと解りにくいね」
「そうか?わかりやすいだろ」
槙を友人だと言う西秋は、槙の意思に関係なく誓いをたてた。
特に好きだとも言わないが、西秋の興味の範疇に収まっている冴島に関係することには、いつもなんだかんだと手を出している。
「わかりやすいっていうんなら、君は病んでるってことになるよ」
槙は西秋の友人だ。
何かあった時に手を貸すのは、厚い友情のようにも見えるが、たとえ槙が望まずともその手を伸ばし排除したがるのは、けして厚い友情ではない。
そして、冴島に関与したすべてに手をつける西秋の行為は、けして純粋な好意には見えない。
「さぁな」
西秋がニヤリと笑った。
とんでもない男に気に入られたものだと、槙は自分自身のことを棚に上げ、冴島に同情した。
「そっか。じゃあ、知らないことにしておくよ」
槙がそう言うと、満足したのか西秋はいつもどおりフラフラと何処かへ行こうとした。
「ああ、そうだ」
ふと、思い出したかのように、西秋が足を止める。
「今度はねぇから」
なんのことを指しているのか槙の考えが、西秋の言いたかった事にたどり着く前に、西秋は振り返りもせず動き出した。
「良かったなァ、アレがチャンスくれて」
病んでいるということを否定はされなかったということと、西秋のいうところの今度が冴島を煽ったことについてだということが結びついたとき、槙は苦いものを噛み潰したような顔をした。
「それでも、君は僕が友人だからって、助けてくれたんだろうけどね」
今日もこれから冴島と『デート』をするのだろう。
そうでなければ、あのご機嫌さが怖すぎる。
槙は、なんとなしに腕をさすって、いつの間に立っていた鳥肌を落ち着けた。
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