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俺のユートピアが…!って言わせたいがために書き始めた話です。
そんな微妙なことをいわせたいばっかりにかいた話となると、内容もそれなりにそういう感じになってしまうわけで。
俺のユートピアが…!とかいう高校生とか、居ないと思うんですが。
おっさんくさいという前に、いつの時代だ?と言いたくなる。
まず、ユートピアってどういうタイミングで使うんだ。建物のなまえじゃねーのみたいな。
ヤンキー×生徒会長
もちろんいうのは会長にきまってる。
そんなわけで本文はつづきからどうぞ
簡単にいうと、他人の色恋に興味が無かった。
故に、気がついたらあぶれていた。
全校生徒がマンモス校といってもいいくらい多い学校の生徒会はたったの四名で起動している。
その四名に一人、転校生が混じって五名。
そのうちの四名がうまいことくっついてしまった。
その結果、何故かあぶれてしまった生徒会長は、毎日毎日、四人がイチャイチャイチャイチャイチャイチャ仕事の合間に仕事中に仕事終わりに、とにかく四六時中、バカップルぶりを見せているのにげんなりしていた。
ここはどこだ。
一時は高値の花だなんていわれて誰もに羨望のまなざしを向けられた生徒会室は、いまやバカップルの巣だ。
一人あぶれてしまった生徒会長を邪険にすることもなければ、逆に一人だということで生ぬるい優しさまでくれるくらいだが、それが余計に会長を孤立させる。
孤立といっても、寂しいだとかのけ者にされているという感覚は会長本人にもないし、他のメンバーとてそんなことをしたりはしない。
しかしながら、四人が各々いちゃいちゃしていると、室内のピンク色な空気に口から砂を吐くかと、会長は思ってしまう。
「ちょっと息抜きいってくらぁ」
そういって、第三資料室に行くのはいつものことだ。
この第三資料室なのだが、実は、資料等一切合切おいていない。
無駄に広い敷地面積とあまり余った教室にとりあえず名前をつけ、物置にしているというのが現状だ。
この第三資料室も例外なくそういう状態で、使わなくなった資料棚や机、ソファーなどが置いてあった。
これらすべてを暇があれば掃除し、並べ替え、それとなく自分の居心地のいい場所に作り変えた会長は、息抜きや休憩といってはそこに行ってくつろぐ。
今日も今日とて、勢い良く第三資料室に入ろうとしたその瞬間、妙な声が聞こえた。
男の、甲高い、喘ぎ声。
生徒会長は思わず呟いた。
「お、俺のユートピアが…!」
誰にも聞こえていないだろうつぶやきは、虚しく宙にとけた。
とにかく第三資料室の平和を取り戻さなければ…と、会長は棚の影に隠れるように配置してあるソファーに向かって歩いて行った。
「おい、ヤんならよそ…で…」
そこには男に組み敷かれぴくりとも動かない男と、男を組みしき、腰を振っている男がいた。
体位で言えば騎乗位。
「……強姦、か?」
「な…え、かいちょう…!」
今の今まで気持ちよさそうにしていた男子生徒が、こちらに振り返る。
下にしかれているやつはなお、動かない。
「さっさとここから出ろ。そんで、もうここにくんな」
会長が凄むと、『ヒッ』と声を上げ隠すものも隠さないでその男子生徒は去っていった。
会長はすこぶる目つきが悪かった。
「…こいつどうすっかなぁ…」
男子生徒に置いていかれたもう一人の男子生徒はまだ動かない。
寝息が聞こえるため、何か飲まされたのだろうということは解る。
「しっかし、どっかでみたかおだなー」
とりあえず乱された衣服を直してやったあと、しげしげと寝ている生徒の顔を見る。
整った顔だというのは寝ていてもわかるし、恐らく男前と言われる類の顔なのも解る。
顔を見つめていた会長であったのだが、部屋に充満している匂いにため息をついて、窓を開けるため迷路のようになっている部屋の窓がある場所までいく。
窓をあけると、外を眺める。
いい天気だ。
無駄な敷地に無駄な教室があるように、無駄とは言い切れないが一学校の領分を超えていそうな中庭は、この第三資料室からよく見えた。
不意に、生徒会長の視界にベンチが目に入る。
そこには、いつもといっていいほど横になっている生徒が居なかった。
そうして、生徒会長は、はっとして振り返る。
しばらく悩んだのち、窓を勢い良くしめ、再びソファーのある場所へ。
そこには相変わらず一人の男が眠っている。
出て行った生徒がやるだけやっただけあり、まだ萎えていないそれに思わず視線を向けたあと再び整った顔を見る。
これはチャンスなのか、それとも終了のお知らせなのか。
「雁屋(かりや)」
名前をつぶやきゆすってみたものの起きない男に、どうすべきか、生徒会長は悩んだ。
生徒会室の甘い空気に耐えられず、住処に顔を出してみれば他人が情事に勤しんでおり、しかも、それが強姦で、しかも珍しい逆レイプの上に、それがまさか、ちょっと気になっていた…いや、すごく気にしていた人間などと。
普通ならば、このままにして起こしてやるのが親切というものなのだが。
悩んでいる間に時間は過ぎた。
未だ襲われていた生徒…雁屋のそれは萎えないまま、雁屋が起きた。
おそらく、睡眠薬以外もなにか飲まされたのだろう。
「……なぁあんたちょっと付き合え」
近くで悩んでいた会長に雁屋がまさかあっけなく手を出すとは会長も思っていなかった。
思わぬ事故だ。
気がつくとロストバージンだ。
それ以来、なぜだかたまに雁屋が第三資料室にくるようになった。
ただ単に眠るために来ているのだが、それでも会長はうめかずにおれない。
「俺のユートピアが…」
たまにくる雁屋のせいで、なんだかそこに行くのが躊躇われ、行く回数がめっきり減った。
そうして会長は生徒会室でピンクのオーラに耐え忍ぶ日々を送ることとなったのである。
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