書きなぐり エコー3? 忍者ブログ

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エコーはまとめられた関係で、数がへってるんですが。
そんなわけで多分三個目。
まちがってたらあとでなおしますお。

なんだか大量放出。
現代ものやったから、ファンタジー行こうよ!
ってだしてきたんですけど。
エコーはもうちょっと書いてからのがいいともって放置したとか、そんなそんな。


レッドが冴島さんに接触です。


本文はつづきからどうぞ。








互いが互いの思惑で普段と少々違う行動をしても、大方、次の日にはいつもと変わりない行動をくりかえす。それが冴島と西秋だ。
「今日は不機嫌だな」
「…ああ」
誰もが忘れ去ったような人気のないその場所で寝転がった冴島を見下ろしながら、西秋は今日の冴島の状態を一言に要約した。
冴島は不機嫌の原因を説明することはない。そして、もちろん西秋もそれを尋ねたりしない。
まるで決まりごとのように、二人は互いに干渉しない。
干渉するのは『デートのお誘い』くらいのものだ。
いつもどちらからともなく『デートのお誘い』をする。しかし、今日は二人とも口が重く、腰も重かった。
無言のまま、身動きもしない。
最早習慣になってしまった『デートのお誘い』。
毎日しているわけではないし、二人とも気まぐれに断ったりもする。
こうして会ったからには、『デート』をする気であるはずなのに、二人は動きもせず、口を開くこともしなかった。
その代わり、彼ら以外の人間が一人、口を開いた。
「うーん…バレてたのかな?君たちの日常会話を聞いてみたかったのに」
「俺でも気がつく程度しか隠していなかっただろう」
彼ら以外の人間に、素っ気なく答えを返したのは西秋だった。
西秋はその人物と縁があり、そして、常に西秋の日常に何かを持ち込むのもその人物である。
だが、冴島にはほとんど縁がなく、そして、関わりもない人間だ。
西秋は第三者に舌打ちをした。
冴島にこれ以上を求めていないが、冴島との今を邪魔されるのは、西秋にとって面白くないことであったのだ。
「槙」
「やだなぁ、僕だって用がなければ君たちの邪魔なんてしないよ。…ところで、冴島さん。あなたは風紀保護観察委員会のメンバーを知っているかな?」
冴島は少し、考え、口をひらく。
「新入生を中心とした、一度もお手つきがない奴らばっかりだ」
「そう。僕らが振い落した後じゃなくて、まったく頭を出していなかった人たちばかり。そのトップは知ってる?」
冴島は槙という人間を少しばかり知っている。
邪魔するつもりはないと言って現れた槙が、生徒会長の補佐で、学園でカラフルの名を頂く人間が、こういった質問をしてくるということは、冴島になんらかの関わりがある時だ。
先に尋ねられたメンバーは前置きでしかない。おそらく本題は風紀保護観察委員会のトップのことだ。
冴島の古巣である風紀委員会の人間は、風紀保護観察委員会についていい感情を持っておらず、その上見下しきっていた。
その素性を調べる価値すらないという態度でもあった。
冴島は風紀保護観察委員会については、目立った情報しか得られなかった。
風紀保護観察委員会が頭の悪い集団でなければ、何事か隠し事があるに違いないと冴島は思っている。そうでなければ、実力もわきまえず生徒会に挑むことなどない。
その隠し事が学園の切れ者として名高いレッドの行動であり、西秋を呼び出した理由なのだろう。
「サァ…?」
なんとなくこれからレッドは厄介なことを言い出すこともわかるし、それが今満喫している日常を壊すのだろうとわかっていながら、冴島はとぼけた。
「冴島さんは、頭のいい人だね。あえてその言葉を口にするし、何も言わない。…そして、僕という人間も知っているんだね」
生徒会のレッド、槙が行動するとき。それはすべてのことが決定事項である時と言われている。これは槙の用意周到さや手腕によるものだ。
こうしてここに槙がいて、冴島に話しかけている。つまり、もうすでに、冴島は槙のシナリオに巻き込まれる予定があるのだ。
西秋がもう一度舌打ちをした。
非常に、つまらない。
「僕はね、やりかけのことは最後まで責任をもってすべきだと思うんだよね。組織を解散させたならさせたで、そのあとの尻拭いというのかな?ああいうのも、きちんと、ね?あ、もちろん、今の風紀は別。あれはもうあなたとは関係ない組織だと僕は思っているしね」
槙のいうことは確信をつかないし、遠回りだ。
しかし、言わんとすることは冴島にも伝わる。
「…残りカスがうぜぇから、きちんと潰せって?」
槙がいくら言葉を選ぼうと、冴島は選ばない。それどころか、余計に酷い言葉になって返ってくる。
槙が苦笑した。
「何もそんな言い方しなくても。…大方、それで間違いじゃないけどね…何年も前のことだけど、引火は簡単にしちゃうもんだよ。意外とね」
火事になる前に、火種は消さなければならない。
槙は火種を消せず、火事どころか大災害になった例を目の前に、同意を求めた。
先程から舌打ちしかしていない西秋を始め、愛想のない冴島はそれについて同意しなかった。
「正直、もう俺には何の権限も責任もねぇと思っているし、実際その通りだ」
「僕はあると思うんだけど?」
「ねぇよ。とうの昔になくなったもんだ」
そして、二度と手に取ることもないものだと、冴島は内心付け足した。
午後の日差しが陰り、冴島に影を落とす。
「だが、あんたは知っているとばかり思ってたんだが」
「何かな?」
槙は、知らず知らずのうちにかいていた汗を手で乱雑に拭う。冴島が影の中に入ったせいばかりでなく、暗い雰囲気を漂わせていることに彼は焦っていた。
「人の思惑に素直に従った覚えは一切ないんだがな」
冴島は何もない空間に手を入れる。
いつもどおり模造刀を取り出すと鞘をつけたまま、ゆっくりそれを槙に向けた。
「それは、知ってるよ」
「そうか。じゃあ、俺が素直に従えない理由ってのはわかるか?」
「きらい、だから、かな…?」
槙は両手のひらを目の前にかざす。
赤い光が目の前に溢れ、形を作る。
それは盾だ。複雑な模様もない、ただ赤で塗りつぶした壁のような盾だ。それは脆いが、冴島の一撃を耐えることはできた。
特殊な力は一切使っていない冴島の一撃は、それでも赤い壁を壊した。
物理的なダメージだけで壊れていく赤い壁に、槙の冷や汗は止まらない。
「解っているようで、何よりだ」
一瞬にして槙と距離をつめ、模造刀を振り下ろした冴島は、涼しい顔で一度頷くと、模造刀を下ろした。
「馬鹿だな」
西秋がポツリと呟いた。
おそらく、西秋は冴島が本気ではないことを知っていたし、一撃でやめることも冴島の一撃を槙が盾で防ぐことも解っていたのだろう。
僅かも動かず、つまらなそうに二人の様子を眺めていた。
「ご足労いただいてなんだが、さっさと帰ってもらおうか」
「……解っていても僕は言うよ。今回の火種は君が消すべきだって」
冴島は動かない。
槙はもう一度苦笑して、西秋に視線を向けた。
「三枝でもいいよ」
「断っただろうが」
「そう…」
じゃあ、やっぱり、冴島が処分することになると思うよ。
槙は小さく零して、その姿を消した。
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