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と思って、書いたのですが、編集しようと思って放置していて、結局もういいやと思って、こうなるわけですよ。
オブラートにはつつみませんから!
飼い主の後輩×ワンコ
ワンコとはタメ。
面倒くさい設定である。
(U´Д`)ワンワン
本文は続きからどうぞ。
おーりのことはすき。
きれいだし、かっこいいし、かわいいから、すき。
俺となかよくしてくれる、ところも、好き。
けど、なとりくんは、別。
なとりくんは、おーりの後輩。
おーりとなかがいいから、おーりといると、一緒になること、多い。
おーりが、はーくんと、恋愛してるときに、おーりがいなくなると、なとりくんと二人になった。
なとりくん、は、かっこいい。
おーりが、いなくなると、いつも仕方ないな、ってわらって、意気消沈してる俺に手をむけてくれる。
なとりくん、が、俺に、いう。
「三笠先輩もしかたねぇな」
なとりくんは、いつも、かっこいい。
寂しい俺のことを、知っている。
俺が、寂しいと思ったとき、いつも、俺を待っててくれる。
それは、俺に、限ったことじゃないんだけれど。
だから、なとりくんは別。
とくべつ。
「しかたねー…」
なとりくんのまねをして、うなずく。
おーりは、はーくんがだいすき、だから仕方ない。
はーくんは、はやく、おーりとなかよし、すればいい。
ぎゅーでもちゅーでも、せっくすでも、すきにすればいい。
おーりが、それで、にこにこするなら、すればいい。
けど、おーりとられちゃうかな。
それが、俺は、寂しい。
「先輩はお前のことおいてったりしねぇから」
今、置いてかれてる、けど。
俺が笑うと、なとりくん、も、わらった。
おーりがにこってわらうと、ふんわりする。
なとりくん、が、にこって、わらう…と…。
いきが、つらい。
いつも、くるしい。
けど、なとりくんが、にこって、しないのは、嫌。
「お前は本当にぼんやりだなぁ」
それは、おーりにも、よくいわれる。
俺のいしき、は、はっきりしたとこと、してないところを、いったりきたりしてるって。
いしきてきに、はっきりさせることは、できる。
けれど、俺は、これが、楽、だから。
「さて、どうするか。帰るか?」
俺のいしを、きいてくる、なとりくん。
おーりにはひっついて、いつも、はなれない。
けど、なとりくんは、特別だから。
いっしょに、近くに、いるだけで、なんだかいっぱい。
いっぱいいっぱい。
「もうちょっと」
でも、はなれたいとは、思わない。
もうすこし、そばにいたい。
もうすこし、もうちょっと、もっと。
もっと、もっと。
もっと、ずっと。
正直言うと、この好意がダダ漏れになっている状態の明里玲司(あけさとれいじ)の傍にいるのは、辛い。
明里本人が、俺のことを恋愛感情で好きだと気がついていないだけに辛い。
俺はというと、恋愛感情というより置いていかれた子供の世話をしているような感覚でいただけに、いまいち育ちきらない恋愛感情のようなものを持っているため、はっきりさせるためにも、この甘えたの傍にいるべきではないのだ。
明里玲司は、三笠鴬里(みつがさおうり)先輩の後輩だ。
俺とはタメで、同じクラスだった。
いつもつまらなさそうに、窓際の近くの席で外を見ている。
寡黙なやつ。
喋れば知的な事をいう。クラスの人間の憧れ。
三笠先輩といる時とは大違い。
俺とは、生きてる次元が違う人間だと思っていたのに、進学して、三笠先輩と再開して、明里と面識ができてからというもの、どうにも明里の面倒をみてしまう俺がいた。
明里は、三笠先輩がいないところでは俺なんかよりよっぽどしっかりしている。
しっかりしている時の明里に聞いたことがある。
どうして違うんだと。
明里いわく、他は面倒だからこうして繕ってる。鴬里は俺を甘やかしてくれるから、ぼんやりしていられて楽。
普段からぼんやりしていたいらしい。
俺に対しては、鴬里先輩のことと、元クラスメイトということもあり、非常にどっちつかずな態度をしてしまうようだ。どっちがいい?と問われたことがあるが、答えた時点で明里は俺にいつもどおりの明里になるつもりだったんだろう。
俺は、そんなのは俺が決めることじゃねぇし。と苦笑したのだが。
それ以来、明里は俺の前ではしっかりした面とぼんやりした面を行ったり来たりしている。
しっかりした面で、俺を拒絶し、遠慮する。
ぼんやりした面で、俺をつかみ、躊躇する。
結局、明里は俺に近寄らない。
けれど傍にいようとする。
三笠先輩が逃げている間に俺と一緒にいることを余儀なくされたせいか、三笠先輩という保護者みたいなのがいなくて寂しいせいか、明里は、次第に俺に好意を向けるようになった。
三笠先輩のようにべったりすることはない。
一定の距離を置いて俺のそばに居ようとする。
目があうことなど一度もなくて、ちらりちらりと見てくる視線が、たまらなく可愛い。
恥ずかしがっていると思えたら良かったのだが、どうも明里は性に対してオープンだ。
先日も恵比羽取(えびはとり)が三笠先輩を追いかけてきた時に、言っていた。
「早くやっちゃえばいーのに」
俺といる曖昧な状態だっただけに、えらく無邪気に発された言葉が黒い。
「はーくんも早く、どーにか、しちゃえばいーのに」
俺はむしろ、お前との関係をどうにかしたい。
「そしたら、俺、ようずみ、かな」
黒いというか暗いというか。
思わず俺は、明里の頭を撫でた。
「ダチに用済みもクソもあるか。ダチはダチだ」
わりと乱暴になでたと思う。
明里は痛いと言いながら笑った。
明里は三笠先輩とは幼馴染だそうで、寝ても覚めても一緒で仲良く、兄弟みたいに育ったらしい。
だから、恋人に家族をとられれば普通に寂しいだろう。
俺としてはいい機会だったのだが。
「なとりくん、は、どこか、行かない?」
「何処でも行くが?」
「俺おいて?」
「ついてきたいなら勝手についてこいよ。つうか、三笠先輩にもついてけよ」
幼い子供じゃあるまいし。
明里はそれに、一瞬驚いて、頷いた。
「うん、おーり、は、いい。いっしょのときに、いっしょする」
「そうか」
「ん」
明里が嬉しそうにするので、俺もついつい甘やかしてしまった。
なんで俺ってこうなんだ。っていつも後悔すんのに。
「だから、なとりくんには、ついてく」
「あ?」
「なとりくん、は、とくべつだから」
告白された気分になりつつ、明里に尋ねる。
「どういった意味で」
なとりくんは、最近、いじわるだ。
なとりくんは、とくべつ、だから、別なのに。
すぐに、俺に、意味を尋ねる。
とくべつなのに。
なとりくんといると、苦しい。
なとりくんといると、うれしい。
なとりくんといると、切ない。
なとりくんといると、たのしい。
なとりくんがいれば、おーりがいなくても、平気なのに。
なとりくんは、だから、とくべつ、なのに。
それに意味をさがそうとする。
そっとしておいて欲しい反面、ちゃんと意味を知りたい気がする。
おーりに尋ねた。
「バカだなァ。そんなの、恋だって」
じぶんのことは棚に、上げて、言い切られた。
「おーり、も、はやく、すなお」
「うぇっほい!お口チャーっく!」
「俺、こども、ちがう、し…」
「いつまでも、かわいいれーちゃんでいて欲しかった…!」
「なにを、いまさら」
おーりがこしに、だきついてきたのを、よしよししたあと、俺は、ぼんやり考える。
「なとりくんに、こい、か」
「え、名取くんなの?お父さん許せません」
あ、なんか、おーりにひがついた。
「三笠先輩、何なんすか」
「れーちゃんは渡しません!」
言動がおちゃらけていて、八割くらいはその言葉をスルーすることにしている俺は、そうですか。と頷いた。
近く、というより三笠先輩の背後霊となっていた明里がしょんぼりした。
俺は少し困って、明里の顔を見つめた。
明里はそれに気がついたようで、俺ににこぉっと笑った。
「で、どうしたいんですか?」
「徹底的に小姑のように邪魔します」
先輩は楽しそうだが、明里はすでに心ここにあらず。
俺を見てニコニコしている。上機嫌だ。
「そうですか」
言って、ニコニコしている明里に、手を振ると、明里がふにゃふにゃになった。
明里、分かりやすすぎる。
「明里はどうしたいんだ?」
「なとりくん、すき」
なんか、急に自覚してる。何が起こったんだ。
「すきだから、一緒にいたい」
「恋じゃないかもしれないよ?」
しばらく明里は何かを考え、そして、俺を見た。
次第に明里の顔が赤くなっていくのを眺めて楽しんでいると、明里は首を振った。
「だって、セックスしてぇもん」
急にはっきりと宣言された先輩が、明里をはがして振り返った。
「れええええちゃあああああ」
「だって…してぇし、できそうだし」
明里のクラスで憧れられている時くらいのはっきりした言葉だった。
その発言を聞いていた俺は、耳を疑いながらポツリと呟いた。
「押し倒されるのはゴメンだぞ」
俺の発言を聞いて、明里が再び俺を見てしばらく考え、そして、再び顔を赤くした。
「……なとりくんなら、いい」
やばい、いけると思ってしまった。…俺も本気だ。