書きなぐり High&Low1 忍者ブログ

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昔の分です。
昔の分もよみたいとのことで。

ちょっとタグをはっていないのと、今の分とわけるので、こうなりました。

ちょっとだけ直してあります。
話自体は本当にかわりません。

本文はつづきからどうぞ。








「今日もヨロー」
 そういって魔法使いの友人は俺の肩をたたく。
 一応、友人は戦闘時のコンビである。
 中距離、長距離、超長距離型は、基本的に魔法使いと組むことはない。
 しかし、友人は近距離型魔法使いなのでバランスはとれている。
「今日はバネッサちゃんの気分」
「超長距離?狙い撃ちすんの?」
 頷くと、友人は授業用貸し出しマジックアイテムを手に取った。
「わかった。引き付ける」
「サンキュ」
 バンダナと仮面をつけた友人が頷く。
 かくいう俺も、サングラスとヅラ、アクセサリーをつけている。
 戦闘関連の授業は、一学年まるっと同じ時間に同じ場所を使って行われていた。その際、皆が普段と違う格好をすることが義務付けられている。戦闘で勝った負けたといって恨みを買った場合、面倒が起こるからだ。
 だから俺も友人も、最初に配られた変装道具をそのまま愛用している。今の俺はアクセの魔法と変装でいかつい兄ちゃんにしかみえないし、友人も仮面の魔法と変装で猟奇殺人犯にしかみえない。二人とも声さえ違う。
 俺たちはコンビ名をカーニバルと登録してあるはずなのに、人は俺たちを恐怖の謝肉祭と呼ぶ。
 猟奇殺人犯にしか見えない友人が、マジックサイスなんて振り回していたら確かに恐怖だろう。たしかに遠く離れた場所から狙い撃たれては、たまったものじゃない。
 中距離武器の時にしてもいかつい兄ちゃんが、銃を撃っては投げ捨てている姿は壮観だと思う。
 そんな俺たちの本日のお相手は『近々』だ。何が近いんだと思うところだが、近距離型と近距離型の珍しいコンビだから、その名前なのだろう。
 その近々は、速攻の近々と呼ばれている。
 詰まる所、速い。
 俺は俺たちに与えられたフィールドの端の物陰に隠れ、静かにスコープをのぞく。
 近々の片方である大剣使いが友人のマジックサイスとぶつかる。
 マジックサイスは武器であるが、武器ではない。 それを構築するのは魔術であり、強度をあげるごとに力を食い、重さを増す。
 友人はサイスの強度を上げただ今防戦中だ。
 俺はその様子をスコープで確かめた。
 そこに近々のもう片方はいない。だが、もう片方がいないことには最初からわかっていた。近々が速攻を得意とすることを知られているように、俺たちがどういう戦法をとるかということも、よく知られている。もう片方がいないのは、俺たちへの対策だろう。
 俺は息を吸い込む。
 やることは変更しない。
 おそらく近々のもう一人は俺を探しているが、関係ない。一発。そう、一発撃つ。
 確実に一人、仕留める。それが俺の今の仕事だ。
 カウントする。
 さん、に、いち。
 銃声が響く。
 超長距離銃の愛称バネッサから滑りだした銃弾は、近々の一人に避けられる。俺は第二射を背後に向かって振り向きざま、放つ。
 バネッサを投げ出し、転がりながらのそれは、あたらない。
 近々のもう一人は、大きな舌打ちをして短剣で弾をはじく。
 今日の俺が超長距離なら、近々の片割れはいわば超近距離型だ。
 すばらしく速く、しなやかな筋肉を使って相手を短剣で倒していく様は、暗殺者と呼ばれていた。
 かくいう俺も、銃で遠くから狙い撃ちなんてするくせに、中距離、場合によっては近距離で銃を使うせいもあってか反則狙撃と呼ばれている。ひどい、かっこよくない。
 ちなみに、友人は猟奇殺人犯姿なだけあって、猟奇で、今、友人が倒してくれているだろう近々のもう一人は舞師だ。なんだか、近々の二人は華やかなお名前である。
 考えながらも距離を取りつつ牽制に弾を撃つ。暗殺者はそれを避ける、または弾きながら俺に近づこうとする。
 あちらもスピード勝負だが、こちらもスピード勝負だ。そして、おそらく、スピードはあちらが上だが、体力はこちらが上である。
 最初から走ってきた暗殺者を二つ目の銃で威嚇し、三つ目の片手銃を腰から抜く。
 この三つ目の片手銃は彩菜という。普通の銃と違って三発しか撃てない。だが、たくさん撃っても仕方ない銃ではある。
 俺は三発のうち二発を撃ち、彩菜ちゃんをホルスターに戻す。次の銃を片手に持つ。彩菜から発射されるのは追尾弾だ。短剣で弾けるほどの銃弾ではないし、避けるすきを与えないために、俺は二丁の拳銃を撃った。
 暗殺者も強い。彩菜ちゃんを避け、俺の銃弾をはじいた。けれど、俺には近付けない。
 勝負は俺の弾数と暗殺者の体力となる。
 これは長期戦覚悟かと思いきや、ピィーッという音が遠くから聞こえた。
 俺はそれが聞こえた方向から右に避け、そして暗殺者もソレを避けたところに彩菜の追尾弾がせまる。
 さらに辛くも避けた暗殺者を俺の銃が心臓ぶちぬいて戦闘終了の笛が鳴った。






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