書きなぐり エロスはどこにいったのか 忍者ブログ

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ハッピーハロウィン☆
ということでかきました。
とても残念な感じのお話。

風紀委員長×元生徒会長

あまりこの記号関係ない上に、ハロウィンもまったく関係ないです。

本文はつづきからどうぞ






「おかえりなさいませ、ご主人様。お風呂にする? ご飯にする? それとも、オ、レ?」
 部屋のドアをあけるとすぐに、一回転してニヤリと笑った男が見えた。首輪から腕輪に鎖が伸びるアクセサリーに、胸丸出しのコルセット、ガーターベルト、むしろズルズル長いレッグウォーマか足先があいた靴下なのではないかと疑うズボンは前も後ろも空いている。今日の服装……下着姿かもしれない。それに合わせた黒のパンツもサイドに布の代わりにベルトだ。ボンデージファッションというやつなのかもしれない。
「どれもいいから寝らせろ。あと、その格好はなんだ?」
「オレってことでいいか?」
「話を聞け。眠てぇんだから、寝らせろ」
 俺の部屋には、一人、淫魔が住んでいる。
 ライーズという、レグナード家の長男だった奴だ。
「この格好でもその気にならねぇのかよ。またゴハンお預けかよ」
 そんな格好をしたところで心身ともにお疲れな俺が元気になることはない。しかも、ライーズという男は淫魔であるが、レグナード家の長男だっただけあって、色気や自身の魅力すらコントロールできる。 本気で盛らない限り、ただのかっこいい男にしか見えない。
 そして、ライーズのいうこの格好というのは、普段からみられるファッションであり、強いていうなら、今日は乳首やパンツが見えていることが特徴だろうか。
「お前の乳首もパンツも見慣れてる……って何言わせんだよ、寝てえんだよこっちは」
 そう、ピアスのついた乳首はひと月の間に四回ほどは丸出しであるし、パンツなどはこんなものは序の口である。見えているとか見えてないとか履いていないとか、もうそういう次元にないパンツを履いて、部屋をうろついている時さえあった。
「じゃあ、お休みのキスだけでも」
 俺は仕方なく、ライーズの頬にキスをして、そそくさと寝室に向かう。
「これだけかよ。ケーチ」
「うるせぇ、お前も寝ろ!」


 部屋のドアを開けた途端、正座をしているライーズが俺を見上げてニヤリと笑う。
「お疲れ、ご主人様。今日はトクベツにマッサージでもしようか?」
 見下ろしたライーズには、胸板とレザーが作る谷間があった。
 乳首は見えていないものの、ギリギリ絞ったのだろうレザーのベルトではたくましい胸板は隠せない。今日はバキバキに割れている腹筋も見せ、胸と同じように、黒の棒線で局部を隠すかのように巻かれたベルトがパンツ代わりのようだ。潔くズボンは履いておらず長い靴下を履いている。
「遠慮する」
 その格好でナニがしたいかは想像がつく。いかがわしいマッサージは必要としていない、やはり心身ともにお疲れな俺は、ライーズの横を通り抜けようとした。
「待て待て待て待て。今日もゴハンはお預けか」
「俺以外からも食えるんだろうが、精気は」
 ライーズは淫魔であるから、精気を食らう。本来ならば精気以外も糧にできるのだが、ライーズの前の主人が厄介な野郎で、ライーズは精気しか受け付けなくなっていた。長いこと時間をかけて調整したものは、また長いこと調整しなおさなければ変わらない。ようやく前の主人の精気以外も受け付けるようになったのだから、うまいこと淫魔らしく食事をしてもらいたいものだ。
「夢なんて甘いもんだけだろうが。苦いの飲んだり味わったりしてぇだろ」
 あくまでライーズの横を通り過ぎ、寝室に入ろうとする俺の足に捕まり、ライーズは動こうとしない。
「お前のマッサージしてぇのは、俺じゃなくてジュニアだろうが」
「お前がお疲れならジュニアもお疲れだろう?遠慮するなって」
 ついには俺に引きずらながらも足にさらに身を寄せてくる。今日は体重を重めに設定しているらしい。優秀すぎる淫魔のライーズはその姿を思ったとおりに変えることができる。本来の姿は置いておいて老いたり若くなったり、性別すら見かけだけなら変えてみせた。体重の増減くらいなんということはない。
「ジュニアは疲れたらたちあがれねぇよ。おら、手ぇ離せ」
「立ち上がるって、がんばれがんばれするし」
「余計なお世話だ」
 ようやくライーズを振り払い、足を逃すとそそくさと寝室に向かう。
 ライーズは寝室までついては来れないため、痺れているんだろう足を投げ出したまま、喚く。
「キスもねぇのかよ!」
「ねぇな」
 俺は振り返って手を振り、寝室のドアを閉めた。


 ドアをあけると膝を抱えて拗ねたふりをして、チラチラとこちらを見上げるライーズがいた。
「ペットにはゴハンをちゃんと与えるべきだ」
 拗ねたふりをしているわりに、本日はハーネスを付けているし、隠すつもりを問いたい紐がパンツであるしこの前からズボンの存在を忘れている。靴下はとりあえずはいているのはなんのマニアックなのだろう。
「じゃあ、キスするか?」
 こちらを素早く向いた顔は明るく、拗ねるふりは忘れてしまったらしい。期待と希望が表情になっていた。
「……キスだけじゃ足りねぇ」
 口ではそういうものの、顔は嬉しそうですらある。
 そう思えば、俺が現生徒会の厄介ごとに首を突っ込んでしばらくたつ。その厄介ごとで心身ともに疲れて帰ってくるため、しばらくご無沙汰だ。
 しかし、今日も今日とて疲れきっている俺は寝たいわけで、玄関口から居間へと続く廊下で膝を抱えるライーズを構い倒そうとは思えない。
 こちらを見上げているライーズの唇に一瞬唇を重ねたあと、今日も寝室へ直行である。
「……けーちー……」
 しょんぼりとして足元の鎖をいじる姿は男前台無しだ。
 着用している布の面積をどんどん削るライーズに男前さを問うべきではないかもしれない。
 そんなことを思いながら、俺は布団に挟まれに行った。


 ドアを開けたら、そこには油断をしていたライーズが居た。
「まて、心の準備が出来てなかった!」
 こちらに背を向けていたライーズの戯言に付き合うつもりはない。疲れて戻ってくることが日常になりつつある俺は、やはり寝室に直行したかった。振り返ったライーズがフリル過多のエプロンを裸で着用していてもそれは変わらない。
 俺はいつも通り、ライーズの横を通りぬけようとした。
「ご主人様の雄は、ちょっとどこにおいてきたんだ?」
 俺が背中を見せたとたん、後ろから抱き着いてきたライーズに、俺は眉をひそめる。
「……骨がいてぇ。細くなってねぇか」
「……細めで心配させようと思って」
 ライーズはそういうものの、淫魔というのは他人の理想の姿をとることが多い生き物だ。ライーズのように他人の理想を無視するやつもいなくはない。しかし、俺がライーズ本来の姿でいることを望んだために、ライーズは俺の前にいるときほとんど姿を変えたりしないのだ。
 たまにエッセンスだといって幼かったり老いたりするし、体重という重さそのものは都合よく変えたりしているため騙されたが、この肉付きの悪さは俺の好みではない。 これは俺に本来の姿を望まれて以来、俺の好みを本来の姿で出来るだけ叶えようとするライーズらしくなかった。
 つまり、本当にやせているし、軽いと感じたのもやせたが故だ。
「そういうことはしねぇだろ。何、食ってねぇの?」
「……他の奴から得られるのなんて微々たるもんだし。まぁ、省エネモードになりゃここまではなんねんだけど」
「省エネ?」
 俺はライーズを背中に乗せたまま首を傾げる。
 初めて聞いた話だった。
「お前のいない間は寝て、起きたらこうだ」
 一瞬にして背中に重みがなくなったと思うと、ふくらはぎになにか小さなものがくっついている感触がした。
 俺はふくらはぎからその小さなものを剥がし、掌にのせて呟く。
「ちいせぇ……」
 相変わらず裸にエプロンであるが、いかがわしさと変態くささが同居しているとは思えない、小さな小さなライーズがそこにはいた。
「かわいいだろ?」
「かわいげがねぇよ」
 人差し指でつついて、満足すると、俺は居間にある机の上にあったコップを手に取る。
「かわいいけど、これじゃゴハン堪能できねぇし」
「人の話はきけよ?」
 そして、ライーズを机の上に置くと、そのコップを逆さにして被せた。その途端、コップの中でライーズが信じられないものを見る目でこちらを見てきた。
「それで持つなら、もう少し待て。そしたら、かまい倒してやるから」
 ライーズはコップの中でかまい倒されることは嬉しいが、それまで放置だと宣言されて、どうしていいやらわからいらしく暴れることもできていない。文句がいいたそうな顔だけをしたライーズのかわりに、コップに口をつけたあと、俺は布団の誘惑に負けることにした。


 珍しくお出迎えがないなと思っていたら、居間の机の上、みかんと一緒になって篭に入っていた小さなライーズが本当に拗ねていた。
「少しっていつだよ」
「さぁ。三日以上はかかるな」
「それまでお預けとか、絞りつくしてやる……っ」
 そんなことをして後悔をするのはいつもライーズだ。頭を人差し指でなでてやる。
「おまえ、俺に勝てるつもりでいるのか?」
 ライーズがありとあらゆる精を食ったがために大成した家の出なら、俺はありとあらゆる人間の性を弄んだ悪魔を祖とする家の出だ。どちらもこの手のことには強い。
「お前とこは唆すのが仕事。淫魔は実行するのが仕事。つうか、繁殖するためにもそうしなきゃならねぇし」
「……代理出産はさせねぇからな」
 淫魔は他人の精をとってから、他人にそれを植え付け、同族を生ませる。
それ故、想い人に生ませるか、想い人の種を他人に生ませるのだ。
「……なんでそんなに、俺のこと好きになってくれちゃったんだよお前は」
「なら、イーズは俺のことがまだ嫌いだとも?」
 祖がどうであれ、長く続くと色々あるものである。俺とライーズの家は仲が悪い。俺たちも家の関係をついで、仲がわるかった。
「そこまではいわねぇけど……」
 俺に拾われたライーズは、もう主人は好きにならないとそういっていたのだ。この反応は仕方ない。
「なら、主人の言うことはきいておけ。俺はお前を他の奴に触らせる気はねぇからな」
「……じゃあ、夢で食って来いはねぇだろ……」
「餓死するよりはいいだろうが。理不尽なお仕置きくらいはしてやるよ」
 理不尽なお仕置きに何を見出したのか、ライーズの目が輝いた。
「よし、なら、食ってくる!」
 俺は仕方なくみかんを机の上にだし、ライーズを掴んで再び机の上におき、篭をひっくり返し、閉じ込めた。机に出しておいたみかんもその上にのせる。
「だせ!」
「そういうのを逃しておくのはねぇだろ」
 そして俺は、ようやく布団と仲良くすることにした。
 その三日くらいあと、理不尽なお仕置きをする前に、耐えられなくなったライーズをソファーの上でいじめたおした。



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