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魔法学園ものもほうちしてあった!
これは委員長受で、FA!
何か、簡単に言うと学園の代表が集まって、天○一武○会が開かれるんだけど、そのまえに最強めな主人公が招致される…のだけど、主人公の奪い合いが起こり、主人公は結局、高三になるまで普通の世界でグレて、グレるのやめて、金ためてバイクかって、コンビニでガリガ○君くってた。とかそんな話です。
うっかり恋人までつくってたとかそういう。
本文はやはり、続きから。
これは委員長受で、FA!
何か、簡単に言うと学園の代表が集まって、天○一武○会が開かれるんだけど、そのまえに最強めな主人公が招致される…のだけど、主人公の奪い合いが起こり、主人公は結局、高三になるまで普通の世界でグレて、グレるのやめて、金ためてバイクかって、コンビニでガリガ○君くってた。とかそんな話です。
うっかり恋人までつくってたとかそういう。
本文はやはり、続きから。
十五歳になったら、入学許可証がきてね、魔法使いになれるの!
少女みたいに笑った母が俺によくいってくれたものだ。
母があまりにも嬉しそうだし、父も魔法使いだったから、俺は待っていた。
待っていたが入学許可証はやってこず、十五からしばらく時を要して十八の夏。
誕生日出すらない日に、魔法学校ではない学校からお呼びがかかった。
唐突のことに食べかけのアイスが手にたれるのも無視して俺は校舎と入学許可証を持った人間を凝視した。
「君をやっと招致できて嬉しいかぎりです。君と来たらあっちの学校こっちの学校そっちの学校と大人気でね?三年もかかっちゃったー」
俺は青い塊が地面に落ちていくのをみたあと、あぁ、俺のソーダ味と現実からの逃避をはかった。
「もしもーし、きいてますかー?」
よれたタンクトップ姿の俺は、かっちりとした服を着た人間を前に、どうしていいかわからず…とりあえずこういった。
「今更どうしろと」
コンビニ前にとめたバイクはいったい誰が持って帰ってくれるのか。そんなことばかり考える夏。
宇井晴夜(ういはるや)十八。
ソーダ味のアイスとともに武術学校に招致される。
簡単にいうと、俺はグレた。
なれるなれるといわれ続けそれなりに努力して信じ続けていたものに裏切られたと勝手に思い込んでヤンキーになった。
俺にはどうやら身体を動かす才能はあったようで、メキメキとケンカの実力をあげ、気が付くと誰もに一目おかれる存在になっていた。
その頃になると、俺には努力が足りなかったのかもしれないと思う出来事もあり、反省し、ケンカも控え、仲間内で話したり付き合ったりしているうちに好きになったバイクを趣味に、それなりに落ち着いた気持ちになっていた。
それからすでに2年。
バイクも気掛かりながら、会う約束をしていた恋人にあえそうもないのも気掛かりで、俺は携帯電話をじっと見つめる。
圏外だ。
「君のご両親には伝えてあるし、君、魔法もかなり使えるね!不思議だねぇ。なんで魔法学校から入校許可証来なかったのかなぁ」
かっちりとした服をきた…俺の担任という人間は首を傾げた。
魔法学校の入校許可証に関してはできるだけ触れたくない。
どうしてといわれても、今現在この状態なのだから、ダメなものはダメだったとしかいいようがない。
「一応、一通り試験させてもらうけど、魔法学校でも普通に通えるよ?」
俺にその理由を聞かれてもわからない。
こうなっているからにはそれなりの理由があるに違いないのだが、俺には行けなかったという状態が大事なわけで、今はこれといってそれに不満はない。挫折感はあるが。
「ま、おいといてー今から試験をやってもらいます。クラス決めたいからね!」
俺はまだ一言も、学校に通うだなんて了承していない。
だが、両親が応と言ってしまったのなら、今すぐやめますといったところですぐにはやめられない。
それに、今の学校からこの学校にかわること自体に否はない。まわりの連中に、友人に連絡もとれず挨拶もできずという状態にまいっていたりするが。
「連絡を取りたいんですが」
「ご両親以外?んー…試験が終わったら、取れる場所にご案内するよ」
俺は担任に頷いて、携帯を担任に預けた。
試験というのがどういったものかはわからないが、携帯していていいものでもないだろう。
「うん、意外と聞き分けいいんだね」
外見に反してか?
と笑った俺に、担任が一瞬ビクリとした。俺の笑みは少々怖いともっぱらの噂だ。
「と、とにかく。君にはテストを受けてもらうね。担当教員は僕、ティスタ・ティル・レ・ロウド」
担任が名前を告げた瞬間、世界がずれる気持ち悪い感覚が俺を襲う。
ずれ込んだ違う空間の中、息を潜めた何かが俺を見ている。
「君はとても期待されててね…編入も急に年齢にあわせて最高学年だし、竜を狩ってくれないかな?あ、何か得物はあるかなぁ?」
武器か。
魔法は練習したが、武器を持って闘う事を鍛練した覚えがない俺は、喧嘩しかしてこなかった。
だが、素手で闘うというのもなぁ…と俺は両手を眺めぽつりと。
「殴ることと蹴ることに適した武器」
つぶやいていた。
ぱちん…と指がなる音が響き、重たい音をたてグローブとブーツがその場に落ちる。
「これでいいかなぁ?」
いかにも重そうだ。
防御力は強そうだし、これで殴られたら痛いだろう。そうは思うが。
明らかに重い。何時間これをつけていられるか…。俺はしばしそれを眺め首を振る。
「これの三分の一の重さで」
ぱちんぱちんと立て続けになった音に、先程よりも随分繊細な音をたてて落ちるグローブとブーツ。
俺はそれを拾い、靴を履き替え、グローブを装着する。
ブーツもグローブもぴったりサイズだ。
「プライバシーの侵害だな」
「手と足のサイズくらいで細かいねぇ」
ちょっとした冗談だ。
俺は防御面に不安を覚えつつ身構える。一応準備万端だ。
「じゃあ、はじめるねー」ガチャン…と何かが外れる音。
竜の姿は見えないが相変わらずグルグルと不機嫌そうに喉をならしているのだけはわかる。
俺は一言、光源。と呟く。頼りない光がふわふわと上がり、ゆっくりとその場を照らした。
竜は小型で、その場を動こうとしない。
俺は向かってこない竜に向かっていくつもりはない。
竜はこちらを牽制しているわけでも、敵意があるわけでもなく、ただ面倒臭そうだ。
「……これをどうしろと」
その日のレイは腹を立てていた。
理由は簡単だ、俺に約束を破られたからだ。
それだけではなく、何度連絡しても携帯は圏外。挙げ句知り合いに聞くと、急に消えた。
心配になって、苛ついて、そして最後には生徒会室の隣の部屋の応接間で盛り上がりかけていた生徒会長を見つけ、その背中をぐりぐりと足で踏み付けた。
「てめぇ…人がイライラしているときに限って盛ってんじゃねぇよ、どカス」
そう罵ると足をどけ応接間から出る。レイの苛立ちは治まるどころか増す一方で、眉間に寄った皺が、ここ最近固定されつつあった。
レイは会長の机に、おざなりに二学期の行事予定における協力事項を置く。
それと同時に緊急放送がどこからともなく聞こえてくる。
「風紀委員長のレイファ・クラフ・リル・ラス様、今すぐ風紀委員室までお戻りください」
その声は風紀に所属している放送委員のものだった。
緊急放送で呼び出されるようなことが風紀委員室にあるのかと思うと、レイの苛立ちはさらに増した。
生徒会室の扉を乱暴にあけてレイが出ていくと、生徒会室にいた他役員が安堵のため息をついた。それを耳に収めていたレイの機嫌がさらに下降したのは言うまでもない。
別の校舎にある風紀委員室につくと、レイは無駄にでかい校舎にさえ苛立ちを募らせ、剣呑な目で委員に用を問いただす。
委員たちは直ぐ様レイから視線をそらし風紀委員室の資料棚の裏にある応接セットに目を向けた。
そこには、母譲りの赤がかったオレンジにも見える金髪が見えたに違いない。
レイの知り合いにそんな髪色をした人間は少なくなかったが、今、気になっている人物につなげるのは当然のことだ。
「…ハル?」
俺は呼ばれてレイに振り替える。
レイは振り返った俺を見て応接セットまでやってくると俺が座っているソファを無言で蹴った。
強い衝撃に苦笑すると、何か言う前に口を防がれる。
風紀委員たちが見守る中、レイの好きにさせていたが俺のゆるい対応では満足いかなかったらしい。
後頭部に手を置かれ固定され、俺は仕方なくレイが陥落するまで付き合うことにした。絡まった舌を離したり吸ったり舐めたり噛んだり。
簡単に言うとレイがキスに満足するまで攻め立てたわけだが。
しばらく風紀委員室に怖いくらいの沈黙が落ちた。
ため息みたいな一息を残し、俺に覆いかぶさるようにしてキスを仕掛けてきたレイが口を離し、俺にもたれかかる。
全身の力が抜けたらしい。
「…わりぃ、レイ。携帯壊されて」
担当教員は俺の携帯を返してくれた。返してくれたのだが、携帯を使って連絡できる場所に転移したあと、とある生徒が誤って俺の携帯を壊してしまったのだ。あずかったからには大事に置いておかないとと机においてあった携帯を電波が通じるところに転移してから忘れたことに気が付き、先生が取りに戻っている間に小さな親切を働いた生徒が俺の携帯を転送させることに失敗した。
縦割れした携帯を哀しげに持ってきた先生にどういったものか悩んだものだ。
SDカードは無事だったにもかかわらず読み取れるものがなかったのも悲しいかぎりだった。
「…それ相応のことをするなら考えてやる」
といわれても、転校手続きの済んだ学校には補習に行かなければならないし、今年は学園武闘会が開かれるという話で、無駄に期待をされていて…むしろそのために入校させられた感じもあり、どうにもこうにも身動きがとれない。
埋め合わせをするにしても随分さきになりそうなのだ。
俺はレイの背中に腕を回すと、一度風紀委員に振り返り軽く目を伏せ会釈代わりにすると、レイにお願いをする。
「レイの部屋に転移してくれ」
レイの対応は早かった。
ふわっと浮遊感がしたと思うと俺はベッドのうえだった。
広いベッドだなぁ…と思いながら、俺はレイの背中を軽くたたく。
「転校することになったから、しばらくは埋め合わせできねぇ」
「ハァ?」
不機嫌そのものといった声だが、レイは俺から離れようとはしなかった。
「第三ディオキサイド学園高等部に招致された」
「…なんで…」
ようやく俺の顔を見るために少し離れたレイは不機嫌と不満を余すことなく表に出していた。
「なんで、うちじゃねぇんだよ…」
レイはお前なら招致されてもおかしくねぇだろという言葉を濁した。
魔法学校にはどうも縁がない。
「まぁ、うちの両親がうんって言っちまったからもう仕方ねぇわ」
少女みたいに笑った母が俺によくいってくれたものだ。
母があまりにも嬉しそうだし、父も魔法使いだったから、俺は待っていた。
待っていたが入学許可証はやってこず、十五からしばらく時を要して十八の夏。
誕生日出すらない日に、魔法学校ではない学校からお呼びがかかった。
唐突のことに食べかけのアイスが手にたれるのも無視して俺は校舎と入学許可証を持った人間を凝視した。
「君をやっと招致できて嬉しいかぎりです。君と来たらあっちの学校こっちの学校そっちの学校と大人気でね?三年もかかっちゃったー」
俺は青い塊が地面に落ちていくのをみたあと、あぁ、俺のソーダ味と現実からの逃避をはかった。
「もしもーし、きいてますかー?」
よれたタンクトップ姿の俺は、かっちりとした服を着た人間を前に、どうしていいかわからず…とりあえずこういった。
「今更どうしろと」
コンビニ前にとめたバイクはいったい誰が持って帰ってくれるのか。そんなことばかり考える夏。
宇井晴夜(ういはるや)十八。
ソーダ味のアイスとともに武術学校に招致される。
簡単にいうと、俺はグレた。
なれるなれるといわれ続けそれなりに努力して信じ続けていたものに裏切られたと勝手に思い込んでヤンキーになった。
俺にはどうやら身体を動かす才能はあったようで、メキメキとケンカの実力をあげ、気が付くと誰もに一目おかれる存在になっていた。
その頃になると、俺には努力が足りなかったのかもしれないと思う出来事もあり、反省し、ケンカも控え、仲間内で話したり付き合ったりしているうちに好きになったバイクを趣味に、それなりに落ち着いた気持ちになっていた。
それからすでに2年。
バイクも気掛かりながら、会う約束をしていた恋人にあえそうもないのも気掛かりで、俺は携帯電話をじっと見つめる。
圏外だ。
「君のご両親には伝えてあるし、君、魔法もかなり使えるね!不思議だねぇ。なんで魔法学校から入校許可証来なかったのかなぁ」
かっちりとした服をきた…俺の担任という人間は首を傾げた。
魔法学校の入校許可証に関してはできるだけ触れたくない。
どうしてといわれても、今現在この状態なのだから、ダメなものはダメだったとしかいいようがない。
「一応、一通り試験させてもらうけど、魔法学校でも普通に通えるよ?」
俺にその理由を聞かれてもわからない。
こうなっているからにはそれなりの理由があるに違いないのだが、俺には行けなかったという状態が大事なわけで、今はこれといってそれに不満はない。挫折感はあるが。
「ま、おいといてー今から試験をやってもらいます。クラス決めたいからね!」
俺はまだ一言も、学校に通うだなんて了承していない。
だが、両親が応と言ってしまったのなら、今すぐやめますといったところですぐにはやめられない。
それに、今の学校からこの学校にかわること自体に否はない。まわりの連中に、友人に連絡もとれず挨拶もできずという状態にまいっていたりするが。
「連絡を取りたいんですが」
「ご両親以外?んー…試験が終わったら、取れる場所にご案内するよ」
俺は担任に頷いて、携帯を担任に預けた。
試験というのがどういったものかはわからないが、携帯していていいものでもないだろう。
「うん、意外と聞き分けいいんだね」
外見に反してか?
と笑った俺に、担任が一瞬ビクリとした。俺の笑みは少々怖いともっぱらの噂だ。
「と、とにかく。君にはテストを受けてもらうね。担当教員は僕、ティスタ・ティル・レ・ロウド」
担任が名前を告げた瞬間、世界がずれる気持ち悪い感覚が俺を襲う。
ずれ込んだ違う空間の中、息を潜めた何かが俺を見ている。
「君はとても期待されててね…編入も急に年齢にあわせて最高学年だし、竜を狩ってくれないかな?あ、何か得物はあるかなぁ?」
武器か。
魔法は練習したが、武器を持って闘う事を鍛練した覚えがない俺は、喧嘩しかしてこなかった。
だが、素手で闘うというのもなぁ…と俺は両手を眺めぽつりと。
「殴ることと蹴ることに適した武器」
つぶやいていた。
ぱちん…と指がなる音が響き、重たい音をたてグローブとブーツがその場に落ちる。
「これでいいかなぁ?」
いかにも重そうだ。
防御力は強そうだし、これで殴られたら痛いだろう。そうは思うが。
明らかに重い。何時間これをつけていられるか…。俺はしばしそれを眺め首を振る。
「これの三分の一の重さで」
ぱちんぱちんと立て続けになった音に、先程よりも随分繊細な音をたてて落ちるグローブとブーツ。
俺はそれを拾い、靴を履き替え、グローブを装着する。
ブーツもグローブもぴったりサイズだ。
「プライバシーの侵害だな」
「手と足のサイズくらいで細かいねぇ」
ちょっとした冗談だ。
俺は防御面に不安を覚えつつ身構える。一応準備万端だ。
「じゃあ、はじめるねー」ガチャン…と何かが外れる音。
竜の姿は見えないが相変わらずグルグルと不機嫌そうに喉をならしているのだけはわかる。
俺は一言、光源。と呟く。頼りない光がふわふわと上がり、ゆっくりとその場を照らした。
竜は小型で、その場を動こうとしない。
俺は向かってこない竜に向かっていくつもりはない。
竜はこちらを牽制しているわけでも、敵意があるわけでもなく、ただ面倒臭そうだ。
「……これをどうしろと」
その日のレイは腹を立てていた。
理由は簡単だ、俺に約束を破られたからだ。
それだけではなく、何度連絡しても携帯は圏外。挙げ句知り合いに聞くと、急に消えた。
心配になって、苛ついて、そして最後には生徒会室の隣の部屋の応接間で盛り上がりかけていた生徒会長を見つけ、その背中をぐりぐりと足で踏み付けた。
「てめぇ…人がイライラしているときに限って盛ってんじゃねぇよ、どカス」
そう罵ると足をどけ応接間から出る。レイの苛立ちは治まるどころか増す一方で、眉間に寄った皺が、ここ最近固定されつつあった。
レイは会長の机に、おざなりに二学期の行事予定における協力事項を置く。
それと同時に緊急放送がどこからともなく聞こえてくる。
「風紀委員長のレイファ・クラフ・リル・ラス様、今すぐ風紀委員室までお戻りください」
その声は風紀に所属している放送委員のものだった。
緊急放送で呼び出されるようなことが風紀委員室にあるのかと思うと、レイの苛立ちはさらに増した。
生徒会室の扉を乱暴にあけてレイが出ていくと、生徒会室にいた他役員が安堵のため息をついた。それを耳に収めていたレイの機嫌がさらに下降したのは言うまでもない。
別の校舎にある風紀委員室につくと、レイは無駄にでかい校舎にさえ苛立ちを募らせ、剣呑な目で委員に用を問いただす。
委員たちは直ぐ様レイから視線をそらし風紀委員室の資料棚の裏にある応接セットに目を向けた。
そこには、母譲りの赤がかったオレンジにも見える金髪が見えたに違いない。
レイの知り合いにそんな髪色をした人間は少なくなかったが、今、気になっている人物につなげるのは当然のことだ。
「…ハル?」
俺は呼ばれてレイに振り替える。
レイは振り返った俺を見て応接セットまでやってくると俺が座っているソファを無言で蹴った。
強い衝撃に苦笑すると、何か言う前に口を防がれる。
風紀委員たちが見守る中、レイの好きにさせていたが俺のゆるい対応では満足いかなかったらしい。
後頭部に手を置かれ固定され、俺は仕方なくレイが陥落するまで付き合うことにした。絡まった舌を離したり吸ったり舐めたり噛んだり。
簡単に言うとレイがキスに満足するまで攻め立てたわけだが。
しばらく風紀委員室に怖いくらいの沈黙が落ちた。
ため息みたいな一息を残し、俺に覆いかぶさるようにしてキスを仕掛けてきたレイが口を離し、俺にもたれかかる。
全身の力が抜けたらしい。
「…わりぃ、レイ。携帯壊されて」
担当教員は俺の携帯を返してくれた。返してくれたのだが、携帯を使って連絡できる場所に転移したあと、とある生徒が誤って俺の携帯を壊してしまったのだ。あずかったからには大事に置いておかないとと机においてあった携帯を電波が通じるところに転移してから忘れたことに気が付き、先生が取りに戻っている間に小さな親切を働いた生徒が俺の携帯を転送させることに失敗した。
縦割れした携帯を哀しげに持ってきた先生にどういったものか悩んだものだ。
SDカードは無事だったにもかかわらず読み取れるものがなかったのも悲しいかぎりだった。
「…それ相応のことをするなら考えてやる」
といわれても、転校手続きの済んだ学校には補習に行かなければならないし、今年は学園武闘会が開かれるという話で、無駄に期待をされていて…むしろそのために入校させられた感じもあり、どうにもこうにも身動きがとれない。
埋め合わせをするにしても随分さきになりそうなのだ。
俺はレイの背中に腕を回すと、一度風紀委員に振り返り軽く目を伏せ会釈代わりにすると、レイにお願いをする。
「レイの部屋に転移してくれ」
レイの対応は早かった。
ふわっと浮遊感がしたと思うと俺はベッドのうえだった。
広いベッドだなぁ…と思いながら、俺はレイの背中を軽くたたく。
「転校することになったから、しばらくは埋め合わせできねぇ」
「ハァ?」
不機嫌そのものといった声だが、レイは俺から離れようとはしなかった。
「第三ディオキサイド学園高等部に招致された」
「…なんで…」
ようやく俺の顔を見るために少し離れたレイは不機嫌と不満を余すことなく表に出していた。
「なんで、うちじゃねぇんだよ…」
レイはお前なら招致されてもおかしくねぇだろという言葉を濁した。
魔法学校にはどうも縁がない。
「まぁ、うちの両親がうんって言っちまったからもう仕方ねぇわ」
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