書きなぐり 王道的な2 忍者ブログ

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いや、これ、タイトルじゃないんですけど。
わかりやすく。
これは空席とちがってそんなつづきませんので!

この王道転校生の特殊な設定がわりと普通になる程度に落としてきた感じでしょうか。
美少年ではないし、やっぱり特殊なのであれでしょうが。
探している理由も簡潔。隠れている理由も簡潔。
一匹狼とつるむ理由も簡潔。
そして、主人公は攻です。


これ、結局、健気か病んでるかのどっちかな受って話になるわけですが。


相変わらずパソコンから編集すると三点リーダが携帯からみると消えている本文はつづきからどうぞ。







父が歯切れ悪く俺に言った。
「転校、してくれない、か…」
父の仕事に家族皆で海外に渡った。
最初に母が海外は合わないと、日本からたまに海外に渡る生活にきりかわり、母が大好きな父はついに耐え切れず、異動をもうしでたらしい。
「中途すぎる。俺だけ残っちゃならんのか」
「だって!だってだって!君枝さんもあいしてるけど!樹海(きうみ)くんがいないとさみしんだもん」
このくそ親父と、素直すぎる父をいつも止めるはずの母が電話で父を唆した。
『海(カイ)くん、キウミくんには、この学校にいってもらって、新婚気分を味わいましょう!』
俺と父がいない間に、母は何か怪しげな趣味に没頭し、夏と冬の休みは都会がよいだ。
俺の部屋に膨大な量の何かを隠しているらしい。
それを知ったのはあとのことだが、母はとにかくその時俺に戻ってこられるのはまずかった。まずかったのだが、有名私立男子校というやつに興味があった。
故に俺は結局、まさに両親の都合で、有名私立全寮制男子校に入ることとなった。
でかくて豪華な門をくぐって歩く歩くすでに一時間。付いた場所はなんとも日本離れした校舎。
螺旋状に折り返す階段が見える校舎は解放感がありすぎる広さ。
あちらも土地があり、ひろいは広かったが、これはおそらく、無駄な広さである。
俺は見上げた校舎より左を見て、再び歩きだす。しかし広い。校門から一時間ちょっと。
ようやく、地図片手にたどり着いたそこの寮管さんに挨拶してカードキーをもらう。クレジット機能もあるらしいが、俺はできるだけ金を使いたい。
「223…223…」
部屋にたどり着くと、二人部屋という名のキッチンダイニング、リビングにあと二部屋もついた、えらくファミリーにやさしい仕様の部屋が待っていた。
荷物がドアの横におかれているほうがおそらく俺の部屋だろう。
そう思えば同室者に粗品でも渡すべきなのだろうか。俺は多くない段ボールを部屋に入れたあと、母に無理やり渡された明らかに北のラングドシャを思わせるネーミングの菓子を持ち、向かいのドアを叩いた。
「…あ?」
出てきたのは、絵に描いたようなヤンキー。
「あ、同室になった、百舌鳥樹海(もずきうみ)だ。これはつまんねぇもんだけど」
ドアをしめられる前にぐいぐいと土産を押し付け、有無を言わさず自己紹介。
「あ?」
ヤンキーの眉間の谷は深い。が、元ヤンである俺には恐れるに足らない。
「それなりによろしく」
挨拶をしたら、それでおわり。
軽く会釈してさっさと部屋に……戻れない。
「おい」
ヤンキーというやつは、何故こうも友情に厚いのだろう。
肩を掴んで喧嘩腰。
相変わらず、喧嘩は買わない。
「ご遠慮してよろしいか?」
「なめてんじゃねぇよ!」
そっちこそなめてんじゃねぇよ。ワンパタだし、台詞が三下だ。がんばってくれよ、ヤンキー。負けるなヤンキー。
「なんだこの土産の名前は!」
なんとも。
ヤンキーをなめていたのは俺だったようだ。
「ぱくりじゃねぇかよ!」
「ぱくりというよりぱちだな。まぁ、甘いものが嫌いでなければ、食え」
しばらく悩んで俺と菓子を交互に眺めたあと、ヤンキーはため息をついた。
ヤンキーは苦労性だろうか。かわいそうに。
「生田成(いくたなり)だ」
「人のことは言えねぇけど、かわった名前だな」
「何かを成す人間になってほしいんだと」
「いい名前じゃねぇの。俺なんて君枝さんと僕の愛の結晶だから、キウミ!枝関連の樹な上にキミに挟まれてて、更に僕の名前も入ってるとか…素敵でしょ?だったからな」
嘘のような本当の話。
愛されて生まれてきたことについては、いいことなのだが、由来を聞いた瞬間に気が遠退いた。
万年春すぎる父を止めなかった母は、字が気に入ったといっていた。
樹海、だぞ?
迷子というか…生死もさ迷いそうではないか。
深そうで広そうだからとは、母いわく。あと強そうだそうな。
まぁ、確かにそうだが。
「個性派っていわれねぇか?」
「……苦労性っていわれるだろ?」
二人してため息。
そうだよなぁ。なんとなく、気の合いそうな生田の肩を叩いたあと、がっちり握手をした。
どうやら、同質者はまったく問題ないらしい。
一気に打ち解けた俺と生田は、リビングで冷たい茶をのみながら、母の土産を食べつつ談笑。と、いったらなんだかハイソだが、内容は五百ミリリットルペットを傾けながら、バリバリ菓子を食い、学園の説明を受けていただけだった。
なんでも。
大変一部の性が乱れていて男もいける奴が大変多いとか。
学園でハイレベルな美形は同じくハイレベルな美形としかお付き合いしてはなりませんとか、その中でも特にハイレベルな美形はスターとなり、何か怪しげなファンクラブができるとか、ファンクラブによってはぶにされたら立ち直れないとか。
特に生徒会とか風紀の幹部連中を好きな連中はカルトであるとか。
そんな感じだな。
生田のいったこととは違うが、俺の理解した内容的には。
「意外と疲れそうな学校だな」
これが感想。
バイだのゲイだのいうのは、日本から一度出る前に一応見てたんで今さら、驚かないし、類は友を呼ぶし、ここをそういうスポットだと思えばなんらおかしいことはない。
だいたい今のところは俺にとって、気を付けておけよってだけで関係ない話だ。
生田が結構な男前であること以外は。
「おい、生田」
「んだよ、モズ」
「おまえって、もてるだろ?」
「………残念ナガラ」
男に興味が云々いうまえに、ここでもてることについてあまりいいと思っていないようだ。
まぁ、普段の生活が脅かされないなら、まぁ。
「部屋から一歩出たら無視が正しいのか?」
「……」
「できねぇけど」
「なら、いってんじゃねーよ」
明らかにホッとしてる。
なんだこの見かけ倒しヤンキーは。
友達はハイソな美形から選ばねばならないのに、ヤンキーなどしているから、友達に恵まれない感たっぷりだ。
そこまでしてなるべきものなのかヤンキー。
とはまぁ、元ヤンの考えることではない。
あれはあれで楽しい世界なのだ。
まぁ、山から降りたらそれなりにお友達もいるだろう。苦労性ってことはそれなりに、人にかかわることができるからなれるわけであるし。
「まぁ、外では適度に距離をはかりつつか」
無視はしない。感じ悪いし、同室なのにおかしな話だろ?
それなり、適度。てのが大事なわけだ。
「…たまに緩いっていわれんだろ?」
「…おう、たまにな」
それより多いのがボーッとしてる、だ。
ぼんやりめなのが俺らしいということらしい。





面倒だが荷物を適当に片付けたあと、風呂を先に頂いて出てきたら、驚愕の表情をした生田がいた。
「てめ……まさか、リッジの元総長じゃ、ねぇだろな…?」
隠す必要はない。
俺は軽く頷いて、こういった。
「リッジの元総長だが、何か?」
リッジってのは俺が所属していた族で、族にしちゃ珍しいというか…むしろ、他の族連中には族として認められていない節が合った。
温い温いと『族』ということを厭われていた。
そんな感じだったのだが、ヤンキー間ではそれなりに有名というか…手当たり次第交流が合ったというか。そういう感じだったわけで、こうして生田が知っていてもおかしくないわけだ。
「おまえ…、やべぇよ!リッジ元総長つったら、一年半前くれぇから、ラストの連中に探されてんだぞ」
ラストってのは、俺が二年ほど前に眺めてた三人のうち二人が所属していたチームで…なぜ探されているかあまり心当たりがない。
「なんで?」
「理由は、わかんねぇけど…とにかくやべぇんだよ」
「や、探されてても…こっちにゃいねぇだろ?」
「いるからやべぇっつってんの。それが生徒会の連中だからやべぇっつってんの!」
生徒会とか品行方正、成績優秀者がなるべきじゃねぇのかといってやりたい。
なぜ喧嘩上等ヤンキーが…と俺は眉間にしわを寄せる。
「見つかったらやっぱ、何の用かはしんねぇけど、接触必須だわなぁ…」
「当たり前だ…っつうか、モズ、マジでエロいな…噂はマジだったか…」
「…それ、マジコンプレックス」
生田のいう噂というのは、リッジの元総長は、普段はもっさりめで、前髪を上げたらただエロい面。というものだそうで、風呂上がりに前髪を後ろに流した俺の顔を見てすぐ、その噂を思い出したらしい。
「エロいとか…もうそれ直んねぇかな…すげぇコンプレックス」
「いいじゃねぇか…と、いってやれねぇくらいエロい面だよな。迫られたか?」
「…コンプレックスになる程度にはな」
あー…と頷いた生田にもそれなりに経験があったんだろうな。
しかし参った。
「生徒会と接触したら、めんどくせぇんだよな?」
「めんどくせぇとかいうレベルじゃねぇよ」
「あー…生徒会に、誰が揃ってっか知んねぇけど、俺、普段の格好ツートップにばれてっしなぁ…とくに副には、この面も拝まれてるし」
さてどうしたもんか…と悩みだした俺に、生田が案を出す。
「変装…は、どうだ?」
「あー…まぁ…それがいんだろなぁ…当面それでしのいで、秘密利に接触をはかり、かつ、用件を聞くってのが安全策か?」
生田がしばらくうなったあと頷いた。
「問題はどんな変装をすべきか、だ」
目立ってパンダになったら見物されてしまうかもしれないし、地味にしていても転校生はじみだと噂が流れれば、まさかと連中が探りにくるかもしれない。
そこそこでなんというわけではない…ちょっとかっこいいかも、とか…そういう部類で、いけば…
「……生田」
「あ?」
「染色剤もってるか?」
生田は快くだしてくれた。まぁ、生田が使おうと思っていたのだからそれなりに色は派手めだが。
うっすら染めれば問題…ねぇのかあるのか、わからないが。






6ヶ月。
それだけの期間で、ひとはいなくなるらしい。
俺の探し人はすぐに面がわれた。
バイクとエロほくろのエロい面というだけで、リッジの総長だ、と。
あの地味野郎が?とはおもったが、そんなんは会って確認すればいい話。
だけど、会うことはできなかった。
奴は半年の間にリッジを円満脱退。
消息不明となっていた。
どうやら副長はしっているらしかったが、話してくれることはなかった。
今ではすっかりいい友人であるのだが、話す気は未だ毛頭ないらしい。
俺は探し続けた。探して探して…二年。
忘れてもいいはずであるのに忘れられず、つのる一方の想いで気が狂う。
気を逸らすために、喧嘩をした。いろんな奴と関係を持った。
喧嘩はつまらなくて、すぐやめた。
セックスは次第に気持ち悪くなって、やっぱりやめた。
ヘラヘラ笑ってフラフラして。
結局探すことだけに力を注いだ。
たまに思い出したように、喧嘩しまくって、身体を売り歩く。
繰り返しているうちに、誰でも足を開き、誰でも突っ込む。気に入らなければ喧嘩をするなんていわれている。やばい奴よばわり。
まぁ、ヤバイんだろう。
あのエロい顔のあいつにさえ会えたら、それで、いいのに。
何故こうも可笑しなことになってしまったのか。


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